日本向けの台湾産パイン2年間で8倍に。台湾の輸出パインの9割が日本向け⇒生産者「日本には、とても感謝している」
かつてはパイナップルといえばスーパーで見かけるのはフィリピン産がほとんどだったが、このところよく台湾産を目にする。
2021年に、中国は「害虫の検出」が理由だとして台湾産パインの輸入を停止した。台湾側は「政治的圧力だ」と指摘した。しかし、その後、台湾産パインは日本に多く輸出されるようになり、安倍元総理が台湾産パインを「今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう。」とアピールしていた。ネット上でも「食べて恩返ししよう」と、東日本大震災で受けた支援の恩を返そうという声が広がった。
そして、この2年間で日本向けの台湾産パインが8倍になったことを朝日新聞が伝え、地元生産者が日本に感謝している声を届けた。
中国から2021年に輸入禁止の措置を受けた台湾産パイナップルの日本向け輸出量が、この2年間で8倍以上に急増したことがわかった。台湾の貿易業者らは、蔡英文(ツァイインウェン)政権による輸送費への補助により、日本市場での価格競争力が得られた結果と分析している。
台湾側の統計によると、禁輸前の20年に台湾産パイン中国向け輸出は約4万2千トン、日本向けは約2千トンだった。中国による禁輸を受けた後、21年には中国向けが約4千トンに急減する一方、日本向けは約1万8千トンに急増。22年も中国向けが約400トン、日本向けは約1万7500トンで最大の輸出先になったという。
「日本には、とても感謝している」
台湾南部・高雄市でパイン農家の協同組合を率いる張清泉さん(38)は真剣な表情だ。
フォーカス台湾も、今では台湾で生産される輸出パインの9割が日本向けだと報じていた。
行政院(内閣)農業委員会農糧署は28日、報道資料を出し、台湾産パイナップルの今年の輸出量は今月26日時点で6359トンに達したと明らかにした。目標とする年間輸出量2万トンは達成できるとの見通しを示している。
日本向けの輸出は26日時点で5700トン近くと全体の約9割を占めた。同署作物生産組の陳立儀組長によると、輸送時の品質管理が改善されており、新型コロナウイルスの影響下では輸送に14日間かかっていたが、現在は5~6日間に短縮されたのに加え、輸送時の温度も12~15度を維持するよう徹底しているという。
姚志旺副署長は先週日本に出張した際、現地でスーパーを視察。台湾産パイナップルがフィリピン産より好まれていることが分かった上、売り切れ時には消費者から店側に再入荷などに関する問い合わせが多く寄せられたと話した。
2021年、最大の輸出先だった中国が台湾産パイナップルの輸入を停止。以来、政府は他国への輸出促進に力を注いでいる。
私も食べたが、甘くてとてもジューシーだった。
こうやって支えあえる隣人がいることは、今のアジア情勢を見ると本当に尊い。