日本学術会議法改正案、今国会提出見送り。学術会議と立憲・共産が猛反発
政府は日本学術会議法改正案について今国会の提出を見送る方針を取った。改正案提出については日本学術会議側からも反発があり、提出を見送るよう提言が出され、野党からの反発もあり、立憲民主党と日本共産党が反発していた。
「政府と学術会議の意見がまとまらず法案の閣議決定がずれ込み、6月21日の会期末までに審議時間が確保できない可能性が浮上。政府関係者は「現状では会期内成立が見通せない」と語った」と産経新聞が報じた。
政府は20日、日本学術会議法改正案について今国会の提出を見送ると与党側に伝えた。会員選考方法の見直しなどを盛り込んだ改正案に対して学術会議側が反発しているほか、野党からも批判の声が上がっていた。複数の政府、与党関係者が明らかにした。
改正案は、第三者の「選考諮問委員会」を新設して会員選考に関与させることが柱。学術会議に対し、会員選考時に諮問委の意見を聞き、その意見を尊重することを求めている。
これに対し、諮問委の介入で独立性が損なわれるとして学術会議が今月18日、今国会への提出を思いとどまり、開かれた協議の場を設けるよう求める勧告をまとめていた。
政府と学術会議の意見がまとまらず法案の閣議決定がずれ込み、6月21日の会期末までに審議時間が確保できない可能性が浮上。政府関係者は「現状では会期内成立が見通せない」と語った。
立憲民主党と日本共産党が猛反発。安住淳国対委員長は「当事者が全て反対している中で(提出)したら蛮行と言える。強く再考を促したい」と述べ、志位和夫委員長は「今国会に出すのは論外だ」と批判した。
立憲民主党の安住淳国対委員長は19日の党会合で、日本学術会議法改正案の国会提出を見送るよう政府に求める考えを示した。
「当事者が全て反対している中で(提出)したら蛮行と言える。強く再考を促したい」と強調。提出された場合は「相当な抵抗はさせてもらう」とけん制した。
共産党の志位和夫委員長も記者会見で、法案提出の見合わせを政府に求めた学術会議の勧告を尊重するよう要求。「今国会に出すのは論外だ」と訴えた。
個人的には今国会で提出されないことは残念で、次回に期待したい。
日本学術会議は、会員選考に政府の意向が反映されやすくなる可能性があるとして、「独立性を損なう」と反発。18日にあった学術会議の総会では、政府に法案提出の見送りを求める勧告を全会一致で決議したと朝日新聞が報じた。(参考)既得権益にしがみついているメンバーには今回の改正案は邪魔でしかないから反対するのは当然だ。しかし、日本学術会議が左傾化していて、日本に有益な提言がされていないという指摘も少ないくない中、日本のナショナルアカデミーとしてあるべく姿に戻す動きは普通のことだと考える。立憲民主党や日本共産党にとっては、日本学術会議が左傾化した組織の方が都合がいいのかもしれないが、国家としては問題だ。