【日米首脳会談】共産・志位氏「力に力で対抗は悪循環。憲法9条を生かした外交で」バイデン大統領の台湾言及に「台湾住民の民意を尊重し、平和的話し合いで解決を」
日本共産党の志位和夫委員長が、日米首脳会談で、日米同盟の抑止力強化や日本の防衛費増額で合意したことに関し「悪循環とエスカレーションを招く」と批判したうえ、「憲法9条を生かした外交をすべき」と訴えた。
共産党の志位和夫委員長は23日の記者会見で、岸田文雄首相とバイデン米大統領が同日の首脳会談で、日米同盟の抑止力強化や日本の防衛費増額で合意したことに関し「軍事に対して軍事力の強化でこたえるならば、相手はさらなる軍拡でこたえることになり、悪循環とエスカレーションを招く」と批判した。そのうえで「憲法9条を生かした外交で東アジアの平和を創出する戦略を日米は真剣に追求すべきだ」との考えを重ねて強調した。
志位氏は、核兵器を含む拡大抑止の強化に関して「核軍拡競争に陥っていく。(その一方で首相が)核兵器のない世界を目指すというのは根本的に矛盾している」と批判し、「進むべき進路は抑止の呪縛から抜け出し、核兵器禁止条約に参加することだ」と訴えた。
また、志位氏はバイデン大統領が台湾有事の際の軍事的関与に言及したことにもツイッターで「台湾住民の民意を尊重し、平和的話し合いで解決を」と訴えた。
バイデン大統領の台湾有事への「軍事的関与」発言は、地域の軍事的緊張を一気に高めた。
日本共産党は、中国が台湾に対する軍事的威嚇を強めていることに強く反対する。同時に、日米両政府が、台湾問題に軍事的関与する方向に進むことに断固反対だ。台湾住民の民意を尊重し、平和的話し合いで解決を。— 志位和夫 (@shiikazuo) May 24, 2022
要するに中国を刺激するなと言いたのだろう。だが、台湾住民の民意を尊重しと言うが、台湾外交部は「心から歓迎し感謝する」とのコメントを発表した。
台湾の外交部(外務省に相当)は23日、訪日中のバイデン米大統領が台湾有事の際に軍事介入する考えを示したことについて、「心から歓迎し感謝する」とのコメントを発表した。そのうえで、「台湾海峡の安全に対する中国の挑戦が国際社会の懸念を引き起こしており、私たちは今後、米国や日本などと連携を深めて共同で台湾海峡の安全を守っていく」と強調した。
確かにバイデン大統領の発言は驚きだったが、今までよりまた一歩踏み出し、台湾の人々には心強く感じたのではないだろうか。私個人としては、この発言が台湾有事の抑止に繋がることを願っている。
志位氏は尖閣をめぐっては「尖閣諸島周辺の緊張と事態の複雑化の最大の原因は、日本が実効支配している領土に対し、力ずくで現状変更をしようとしている中国側にある。中国側の覇権主義的な行動が一番の問題だ」と中国を非難している(参考)。やめてくれと言ってもやめないのが中国で、話が通じる相手ではないことをわかっているはずなのだが、いまだに平和的外交で解決を訴えている。そんなものは同じ価値観を共有している国同士にしか通用しない。そして、同じ価値観を共有していれば争いは怒らない。ウクライナがいい例ではないか。小池晃氏がテレビ番組で「憲法9条さえあれば平和が訪れるなんて言ったことはない。お花畑と言われるが、イバラの道なんですよ」と語っていたが、平和的外交努力で解決すると思っているうちは「お花畑」と言われても仕方ないのではないだろうか。