泉代表、維新を「戦うことを忘れた御用野党の本領をまた発揮している」と批判
日本維新の会の馬場伸幸代表は8日の記者会見で、立憲民主党が内閣不信任決議案を提出した場合について「夏になれば盆踊りをするように会期末になれば不信任案を出すといった国会の慣例には全く協力する気はない」「岸田内閣を不信任にするほどの大きな事由はない」と同調しない考えを示した。藤田文武幹事長も7日の記者会見で「(立憲と)一緒にやるつもりは全くない」「よほどの時は議会の権利として突きつけたいが季節行事みたいにやるのはよくわからない。理解不能だ」と指摘。
こういった日本維新の会の対応について、立憲民主党の泉健太代表は9日の記者会見で「自民党との近さのアピールが目立つ、大変がっかりな姿勢だ。戦うことを忘れた御用野党の本領をまた発揮している」と批判した。
立憲民主党の泉健太代表は9日の記者会見で、21日に会期末を迎える終盤国会の対応方針を巡り、日本維新の会を批判した。岸田内閣不信任決議案を提出しないと主張している点に触れ「自民党との近さのアピールが目立つ、大変がっかりな姿勢だ。戦うことを忘れた御用野党の本領をまた発揮している」と述べた。
立民、維新両党はともに防衛費増額の財源確保特別措置法案に反対している。泉氏は「法案に本気で反対ならば、不信任案提出はあり得るはずだ」とも語った。ただ立民が不信任案を提出するかどうかについては「国会最終盤の動きを最後の最後まで見極めて対応したい」と述べるにとどめた。
野党が内閣不信任決議案を提出するのは政権を追い込み、戦う姿勢を示すため、立場上理解できる。しかし、第二次安倍政権以前の状況とは違い、どうあっても可決されることがないのが現状。したがって、不毛なアピールでしかない。内閣不信任決議案が提出されると、国会の審議は止まり、衆院本会議を開き、内閣不信任決議案を最優先で採決しなければならない。それだけ重いものなのだ、不毛なアピールのためにすべての審議を止めることに有権者が理解を示すだろうか。
また、泉代表も衆院解散を誘発しかねないとの懸念もあり、内閣不信任決議案を提出するか決めかねている。衆院解散の誘発を懸念し提出を躊躇している政党が「戦うことを忘れた御用野党の本領をまた発揮している」と他党を批判するのは滑稽だ。
舌戦を繰り広げる両党だが、つい最近まで両党は国会で共闘し、立憲民主党は日本維新の会との選挙協力を模索していたかと思うと、政治の世界は本当に面白い。