【明暗分ける】日韓通貨スワップ協定が再開。歓迎する韓国に対して、日本のネット「何かメリットある?」
29日、東京で「日韓財務対話」が行われ、スワップ協定の再開で合意した。協定の内容は上限100億ドル(約1兆4400億円)の交換枠。2015年2月、日韓両政府はスワップ協定を延長せず、期限切れで終了しており、約8年ぶりの再開となる。
日韓両政府は29日、東京で7年ぶりとなる「日韓財務対話」を開き、いずれかの国が金融危機時に外貨を融通して経済を支える通貨交換(スワップ)協定を約8年ぶりに再開させることなどで合意した。日韓の間で懸案となっていた経済分野の大きな課題が解消することになり、両国の経済上の関係改善が前進する。
具体的には、自国通貨と引き換えに相手国から100億ドル(約1兆4千億円)を上限に融通が受けられるようになる。
財務対話には鈴木俊一財務相と、韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相が参加。会合後に記者会見した鈴木財務相は「いざというときの備えが、円やウォンに対する信認にプラスに働く」と意義を述べた。
中略
財務対話ではほかに、先進7カ国(G7)で合意した脱炭素分野のサプライチェーン(供給網)の強靱化を進める新たな枠組み「RISE(ライズ)」への協力や、途上国債務問題への協調、対露・北朝鮮制裁の履行、財務当局の人事交流プログラムの開始などでも合意した。次回の財務対話を来年、韓国で開催することも決めた。
韓国では歓迎する声が上がっているようだ。韓国は過去に通貨スワップを通じた経済危機回避を経験している。1997年のアジア通貨危機の時、韓国経済は大混乱となったが、日韓の通貨スワップ協定によって乗り越えた。それだけに景気後退に陥っている現状打破の起爆剤として期待しているのだろう。韓国からすればメリットしかないので歓迎されるのは当然の流れだろう。
一方、日本を見てみると、SNSでは怒っている人が大勢だ。「「日韓スワップ協定」って日本になんかメリットあるの?」「竹島、レーダー照射その他、筋を通したけじめなしにこれを行うなら、必ず禍根を残す」「日本側に何のメリットもなく、韓国に融資するだけの全くもって無意味な協定」といった意見が多数投稿される中、「韓国の希望額の10分の1に抑えた」という声もあがっていた。
いずれにしても、有耶無耶にされたレーダー照射問題、ホワイト国復帰に通貨スワップ再開と、立て続けに韓国の思惑通りに事態が動いている。安全保障上、日米韓の繋がりを深くしなければいけないことは理解しているが、あまりにも韓国有利な流れに、特に保守層はかなりご立腹のようだ。結果オーライとなれば「やっといてよかった」ということになるのだが、その時は来るのだろうか。