平和記念式典の際のデモ集会に、参列者からは「非常識だ」「慰霊の日なのになぜ」
広島市の平和公園で6日、平和記念式典が行われた。被爆者や遺族の方々や、政府からは岸田総理などが参列。また、海外から過去最多の111の国の代表が参列したという。参列者はおよそ5万人だったと報じられた。
広島市の松井市長や岸田総理などがあいさつし、地元の小学生2人も「平和の誓い」とした演説したのだが、式典会場周辺では反戦・反核を掲げる団体が演説やデモ集会を開催。平和記念式典は原爆死没者の霊を慰め、世界の恒久平和を祈念するための式典である。参列者からは「非常識だ」「慰霊の日なのになぜ」との声があがっていたと産経新聞は報じていた。
太鼓を打ち鳴らしながらのデモ行進では、式典に出席した岸田文雄首相に対し「広島から出ていけ」「沖縄を戦場にするな」などとシュプレヒコール。これに対し、「静かな8月6日を願う広島市民の会」は「8月6日は慰霊の日 静かに祈ろう」などと書かれたプラカードを掲げ、無言で抗議。広島市職員も、「平和式典挙行中はお静かにお願いします」とのプレートを示した。
G7広島サミットで各国首脳が原爆資料館を訪問したことで、これまで以上に世界から注目されている広島。公園を訪れた男性は「ここは主義主張の垣根を越えて、亡くなられた人々に哀悼の意をささげる場。公園の自由利用にかこつけた集会は迷惑だ」と疑問を投げかけた。
母親と慰霊碑に手を合わせていた同市中区の中学3年の男子生徒(14)は「迷惑で非常識。平和を思う気持ちが一つになれない」。名古屋市の男性会社員(26)も「慰霊の日にこんな演説をやっているのかと驚いた。主張するのは自由だが、今日のこの場ではないと思う」と話した。
原爆の投下時刻に合わせた午前8時15分の黙禱(もくとう)の瞬間だけは静寂が広がったが、デモ行進などはすぐに再開。原爆ドームを向いて集団で地面に寝転ぶ「ダイ・イン」を行う集団もあった。
さすがに黙禱の瞬間だけは静かだったようだが、場違いなデモであることに変わりはない。現職の広島市議が現状を訴えていた。
【78年目の8月6日 被爆地・広島】
被爆地・広島市は8月6日、78回目の原爆の日を迎えました。
早朝より、原爆ドーム前では、喧騒に包まれています。
被爆者を静かに悼みたいという、ご遺族らの思いは、こうして踏みにじられているのです。#原爆の日 #左派デモ騒音 pic.twitter.com/E7nhtCYd3m— むくぎ太一(広島市議会議員/安佐南区) (@mukugi_taichi1) August 5, 2023
8月6日朝の原爆ドーム前の喧騒。これが現実です。修学旅行の児童たちが原爆ドームを見られず、行ってしまいました。本当に申し訳ありません。#原爆の日 #原爆ドーム pic.twitter.com/AF0i2PvuFK
— むくぎ太一(広島市議会議員/安佐南区) (@mukugi_taichi1) August 6, 2023
反核・反戦運動をするなとは言わないが、時と場所を選べないものだろうか。