八重山日報「麻生氏の発言は、八重山住民の立場としても評価できる」「野党の批判は麻生氏の真意を曲解している」
自民党の麻生太郎副総裁が台湾訪問中に発言した「戦う覚悟」だが、立憲民主党や日本共産党などは非難し、一部メディアは麻生氏が戦争を煽っているかのように報じている中、まさに台湾に一番近い沖縄の八重山日報は、八重山住民の立場として公平な視点で報じていた。
自民党の麻生太郎副総裁(元首相)が訪問先の台湾で講演し、台湾有事を起こさせないため、抑止力を機能させる覚悟が求められているとして「戦う覚悟」の必要性を強調した。
中国が台湾に侵攻すれば、台湾に近い沖縄、八重山に大きな影響が及ぶのは避けられない。日本が国際世論の総意を背景に、台湾侵攻は許さないという毅然とした決意を示すことが重要だ。麻生氏の発言は、八重山住民の立場としても評価できる。
麻生氏は講演で、昨年8月、中国が台湾を包囲する軍事演習を行った際、日本の排他的経済水域(EEZ)を含む海域に弾道ミサイルを撃ち込んだことに言及した。
ミサイルが着弾したのは与那国島や波照間島の周辺で、八重山住民に危機感が広がった。麻生氏の発言は、そうした危機感が政権党や政府でも共有されていることを示し、住民にとっては安心材料になる。
麻生氏の講演が波紋を呼んだのは事実だ。在日中国大使館は「身のほど知らずで、でたらめを言っている」、中国外務省の報道官は「外部勢力と結託し、台湾独立を図るいかなる挑発行為も失敗に終わる」と反発した。
日本国内の野党も「非常に軽率」(立憲民主党の岡田克也幹事長)、「挑発的言動は百害あって一利なし」(共産党の志位和夫委員長)などと非難した。
だが麻生氏は、むやみに戦争に突入すると言っているわけではない。講演では「戦う覚悟」の意味について「お金をかけて防衛力を持っているだけではだめ。いざとなったら使う。台湾防衛のため、台湾海峡の安定のためにそれを使うという意思を相手に伝え、それが抑止力になる」と説明した。抑止力に関する妥当な解説である。野党の批判は麻生氏の真意を曲解している。
中国は尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返し、日本政府や石垣市のたび重なる抗議を無視し続けている。そのことを考えれば、麻生氏発言に対する中国の抗議などは、ことさら気にする必要はないだろう。
安倍晋三元首相が生前「台湾有事は日本有事」と発言した際も国内で批判の声が沸き起こった。しかし中国が八重山周辺にミサイルを撃ち込んだことで、台湾有事は日本有事であると同時に、沖縄有事であることが鮮明になっている。
沖縄の平和を守るためには、中国の無謀な行動を押しとどめることが絶対に必要だ。
最大限の外交努力や対話が大前提であることは言うまでもない。その上で、麻生氏が言う「戦う覚悟」も含め、あらゆる手段を総動員して中国と対峙しなくてはならない。「当事者」である沖縄がそれを訴えるのは、当然のことである。
その通り、麻生氏は「戦う覚悟」を発言する前に「最も大事なことは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」と前置きしている。しかし、批判する野党議員や一部のマスコミはこの最も強調しなくてはいけない部分を省略してしまっている。台湾に最も近い地方紙がこのようにしっかり報じていることは救いだ。八重山住民の不安を煽る全国紙は恥を知るべきだ。
「戦う覚悟」をやたら強調しているのは、立憲、共産、主に左派メディア。
左派メディアは「戦う覚悟」だけを切り取り、印象操作に躍起なっているが、前後の発言の脈絡も含めて報道しないと、それこそ、間違った情報を提供することになる。
前後の話の内容からしても、日本にとって何ら間違った内容ではない。
偏見を持っては駄目だと実感させられた。
「本土は沖縄を差別している」
というものがあるが、
八重山日報の記事をこうして我々も見られることで
「沖縄本島は離島を差別している」
ということが浮き彫りになり、
まったく「オール沖縄」なんて存在しないのだと理解できる。