リニア工事の残土問題。不安視する川勝知事の一方で、難波市長「大きな問題はない」
リニア中央新幹線静岡工区を巡り、静岡県の川勝平太知事が、工事残土置き場の計画地を「深層崩壊する可能性がある」などと、水問題から土問題へとゴールポストを動かす中、静岡市の難波喬司市長はJR東海の案について「大きな問題はない」との見解を示した。(参考)
難波市長は9月6日「(JR東海が提案する)燕沢(つばくろさわ)を候補地として進めるべきだ」との考えを示し(参考)、10月13日の協議会ででも「周辺で大規模な深層崩壊が発生した場合でも、残土置き場が環境影響を増大させるものではない」と述べていた(参考)。
一方の川勝知事は「難波市長のいうことを否定するつもりはない」と述べ、ただ「私自身は懸念している」とした上で、深層崩壊の危険性や生態系への影響といった理由を改めて強調した(参考)。
難波市長はもともと国土交通省の技術官僚で、土木工学が専門。土木工学的にJRが出したシミュレーションは「適切」と判断した。専門的に見て安全と判断した一方で、川勝知事は不安を述べているだけで、何の根拠もなく「土砂災害が起こるかもしれない」と訴えているに過ぎない。厚生労働省の「安全と安心」には「「安全」の目的が、事故防止だとすれば、「安心」の目的は、心を安らがせることです」とあり(参考)、「「安心」は主観的なもので、「安全」は客観性が必要」としている。つまり川勝知事は主観でリニア工事に反発しているということだ。
川勝知事の反発は処理水に反発している非科学的な中国と同じで、如何に薄っぺらいかよくわかる。
水問題では大井川流域市町らがJR案に理解を示し、残土問題では静岡市が理解を示した。まさに川勝知事は四面楚歌の状態となった。