【また…】北朝鮮衛星打ち上げ、日米などが「安保理決議違反だ」と非難するも、中露が北擁護で安保理として一致した対応は取れず
北朝鮮が21日、弾道ミサイル技術を使った軍事偵察衛星を打ち上げたことについて、27日、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれた。日米などから「安保理決議違反だ」と非難する意見あがったが、北朝鮮側が「朝鮮半島で米軍の活動が活発化しているとして「軍事衛星打ち上げは、米軍やその同盟国の動きを正確に把握するためだ。合法的な防衛権だ」と反論した」という。
国連安保理、北朝鮮衛星打ち上げで米と中露対立https://t.co/lzugwM8tFx
日本の石兼国連大使は北朝鮮を「強い言葉で非難する」と述べ、安保理として一致した対応を取るべきだと訴えた。
— 産経ニュース (@Sankei_news) November 28, 2023
しかし、北朝鮮を非難する意見が相次ぐ一方、ロシアと中国が「地域で緊張を高めているのはアメリカだ」と主張して北朝鮮を擁護したため(参考)、安保理として一致した対応は取れずの状況。中露が常任理事国でいるうちは一致した対応は困難だろう。
また、時事通信はこれまで北朝鮮の後ろだけは中国だったが、衛星打ち上げの成功の裏にはロシアの技術提供があったとみられることから、ロシアも北朝鮮の後ろだけになったのではないかと指摘している。
韓国軍によれば、北朝鮮は今年3回目となった21日の打ち上げで、初めて衛星を地球周回軌道へ進入させた。成功の背景にはロシアによる技術提供があったとみられている。
安保理での北朝鮮を巡る議論は従来、北朝鮮の後ろ盾を務める中国と米国との交渉がカギを握ってきた。しかし、中国と同様に常任理事国で拒否権を持つロシアが北朝鮮と関係を深めており、安保理として北朝鮮に厳しい対応を取ることが今後さらに難しくなると懸念されている。
結局はロシアと中国のおかげで安保理が機能しないことだけが浮き彫りになった。そもそも他国に侵攻したり、領海を巡り挑発を繰り返し、国際ルールに従わない国がいつまで常任理事国でいるのかという話だ。
一刻も早く国連改革に取り組んで欲しい。日本は粘り強く国連改革を訴えているが、石兼公博国連大使は、国連改革について「ウクライナ危機を契機とした安保理の機能不全に対するフラストレーションを多くの国が抱え、その裏返しとして安保理改革への期待が高まっているのも事実だが、残念ながら改革の方向性が明確になってきたという状況ではない。難しい道のりだが、諦めてしまえば改革が必要だと思う国の期待を裏切ることになるので、われわれとしてはどんなに難しくてもしっかりやっていかなければならないと思っている」と語っていた(参考)。国連改革は難しい課題かもしれないが、今後も安保理の機能不全が続けば、いらない組織となり下がる。