有識者懇談会、学術会議について「国とは別の法人格を有する組織が望ましい」「政府の機関であることは不適切」「国費に完全に依存せず、自主財源の確保を目指すのは極めて自然なこと」
日本学術会議の組織形態のあり方を検討する内閣府の有識者懇談会は13日、「国とは別の法人格を有する組織が望ましい」とする報告書の素案を公表した。独立した立場から政府に科学的根拠に基づく助言を行うよう促し、「政府の機関であることは不適切だ」との見解を表明した。と報じられた。
素案では、「国の機関のままでの改革には制度面でも財源面でも限界が感じられる」と指摘した。学術会議側は国から独立した法人に移行する案を容認しない声明を出しているが、「(法人化する)制度上のデメリットはこれまでの議論の中で確認されていない」と説明した。
会員選考については、政府が関与せず、「独立して自律的に行うことが重要」と強調した。財政面では政府に支援の継続を求めつつ、「学術会議が国費に完全に依存せず、一定程度の自主財源の確保を目指すのは極めて自然なことだ」とした。
日本学術会議は9日、政府が「国の特別機関」から法人への移行を念頭にしている方針に反対する声明を出した。これに対して、ネット上では「国家公務員特別職の身分と公金補助を手放したくないからだろう」などといったコメントが多く投稿されていた。
「財政面では政府に支援の継続を求めつつ、「学術会議が国費に完全に依存せず、一定程度の自主財源の確保を目指すのは極めて自然なことだ」」との指摘があるが、まさにその通り。誰にも束縛されず自由に研究したいのなら、国費に依存せず、会員から会費を募るとか、クラウドファンディングを立ち上げるなど、自主財源の確保を目指すべきだ。
今回の有識者懇談会の報告書が政府の日本学術会議法人化の方針の後押しになるのは間違いないだろう。