代執行に伴う工事に、玉城知事「民意を軽視」「本当に12年で終わるのか」
米軍普天間飛行場の移設先となっている名護市辺野古沿岸部で10日、代執行に伴う軟弱地盤の改良工事が始まった。
これに対し、玉城デニー沖縄県知事は「私はこれまで辺野古新基地建設問題を含む基地問題について、一度たりとも林官房長官とも木原防衛相とも面会する機会をいただいていない」としたうえで「たたみかけるように工事を進めることで(県民の)諦め感を醸し出そうという考えであれば大きな間違いだ。多くの県民は反対の民意を明確に示している。そのことを軽んじていては、日米安保体制全体にも大きな影響が及び続ける」と批判した(参考)。
さらに、玉城知事は「本当に12年で終わるのかという基本的な疑問が明らかになっているとは言い難い」と述べた(参考)。するとこの発言がネット上で話題となり、「妨害がなければとっくに完成していた」「本来なら2009年に始まってもう終わってんだよな」という声があがった。
玉城知事は度々民意を口にしているが、そもそも国と県で話し合ってもらちが明かず、司法に判断を委ねたのではないか。その結果が現在だ。マスコミは「国は前例のない「代執行」へ」と叩くが、司法の判断に従わないという、前例のない行動をしたのは玉城知事と沖縄県だということを忘れてはならない。
また、玉城知事の言う民意だが、確かに玉城知事は辺野古移設反対を訴え、2022年に再選を果たし、2019年の「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」では反対多数となった。しかし、2022年の各市長選挙は、辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が全敗した。住民投票を巡っては県民の約半数が投票に行かなかった。知事選挙においては、保守分裂という、玉城知事にとってはラッキーな選挙であった。玉城知事は移設反対を県民の総意かのように主張するが、疑わしいものだ。
住民投票について、宮崎政久衆院議員は、当時次のようにコメント。
県民投票。反対が多いとはいえ投票資格者総数の37%、約半数が投票に行かないという意思を表明した。
埋立に諸手を挙げて賛成という県民はいない。普天間基地の危険性を前に「やむを得ない」思いがあるが、この思いには投票先もなかった。
やはり普天間基地をなくすことを一番に、冷静に考えるべきだ。— 宮崎政久(みやざきまさひさ)@沖縄2区 (@Miyazaki_kirin) February 25, 2019
その通りだと思う。しかし、投票の結果は尊重しなくてはならない。だが、過去に、島袋吉和元名護市長が「県民すべてが反対のように報道されているが、地元の辺野古の住民は8割以上が条件付きで移設を容認している」とコメントしたことが報じられたこともある(参考)。もし、宮崎氏が主張するように、県民投票で「やむを得ない」もしくは「条件付き」という選択肢があればどうだっただろうか。実施したのは沖縄県だ。したがって「賛成」と「反対」の2択にしたのも沖縄県だ。
こういったことを踏まえれば、果たして、玉城知事か主張する「移設反対」が、本当に民意かどうかは疑わざるを得ない。