徴用工訴訟を巡り、自民部会で韓国のホワイト国の再度除外や日韓通貨スワップの停止を求める意見が上がる
14日に開かれた自民党の外交部会と外交調査会の合同会議では、徴用工訴訟を巡り、日立造船が韓国の裁判所に預けていた供託金が原告側に支給されたことが議論され、出席議員からホワイト国の再度除外や日韓通貨スワップの停止を求める意見が上がったという。
自民党は14日、外交部会と外交調査会の合同会議を党本部で開き、日韓関係などについて議論した。いわゆる徴用工訴訟で、日立造船が韓国の裁判所に預けていた供託金が原告側に支給されたことに関し、出席議員から対抗措置を求める声が相次いだ。
外務省は、日立造船の供託金が原告側に渡ったことを受け、岡野正敬事務次官が2月21日、韓国の尹徳敏駐日大使を外務省に呼び「日本企業に不利益を負わせるもので極めて遺憾だ」と厳重に抗議した。
合同会議では、抗議では不十分だとして、より強い対応を求める意見が複数の議員から上がった。
具体的には「日韓請求権協定に全く反する。日米韓が今、連携を深めている中で韓国が水を差してきたのだから、韓国が補償・賠償すべきだ」との主張や、簡略な輸出手続きを認める優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」から韓国を再び除外するよう求める意見が出た。
また、日韓間で昨年12月に約9年ぶりに再開した、金融危機時に外貨の融通を受けられる通貨交換(スワップ)協定の停止を求める声もあった。
このほか「日韓関係は日本側から荒立てることはしてこなかった。韓国の方でこんなことをするのであれば、日本にはこういう(対抗)カードがあるのだと、一度、整理すべきだ」と訴えた議員もいた。
外務省側は「日韓請求権協定違反であることは間違いない。ご指摘を持ち帰って対応していきたい」とした。
おそらく日韓関係改善に否定的だった保守系議員あたりから上がったのだと推測する。
今回の件は「輸出管理の問題」ではないので、本音はホワイト国除外を行って欲しいと思うところだが、報復が理由では大義名分が立たないことを考えると、素直には賛成はできない(本当はホワイト国に戻してはいけなかった)。するなら通貨スワップ協定の停止だろう。
「抗議では不十分だとして、より強い対応を求める意見が複数の議員から上がった」というが、意見が上がるだけではだめだ。単なるガス抜きと思われかねない。何らかの制裁を加えるように、政府に提言していただきたい。
実際に、レーダー照射問題も竹島問題も何も解決していない。有耶無耶にされたままだ。特に竹島問題は主権問題なので、ここを有耶無耶にした関係改善はすべきではなかった。
また、外務省側が「ご指摘を持ち帰って対応していきたい」とのことだが、外務省があてにならないのは多くの国民が理解している。
岸田総理はじめ、政府がどう判断し、対応するか注目される。