石垣港のストライキ巡り、石垣市「離島住民の生活を脅かした」と抗議⇒石垣市長も「全港湾の石垣島の組合員にではなく、政治的な意図を持ったストを強行した本島の全港湾沖縄地方本部に抗議」
沖縄県石垣市の石垣港に米軍艦が寄港したことを受け、全日本港湾労働組合(全港湾)が石垣港でストライキを実施。これに対し、石垣市議会は「離島住民の生活を脅かした」と全港湾に抗議した。
13日に米軍艦が出港したことを受け、ストライキは解除された。
米艦船の石垣寄港に反対し、全日本港湾労働組合(全港湾)が石垣港で実施した全面ストライキを巡り、石垣市議会の与党会派「自由民主石垣」と「公明」の市議らが18日、市役所で記者会見し「離島住民の生活を脅かした」と全港湾に抗議した。
抗議文では、ストライキの影響で「スーパーでは欠品が相次ぎ、飲食店では仕入れができず営業を縮小する店舗も見られるなど、経済的損失も大きく、市民生活に大きな混乱を招いた」と指摘。
市が県労働委員会に確認したところ、今回のストが労働関係法に規定されている争議行為に当たらないと回答を得たことも言及。「離島住民の生命線である物流を全面停止させたことに対し、市民から強い憤りの声が上がっている」とした。
今後は政治的主張を目的としたストライキで離島住民の安心安全を奪わないよう、慎重かつ責任ある行動を求めた。与党は抗議文を全港湾に郵送した。
記者会見で石川勇作氏は、全港湾沖縄地方本部の山口順市委員長がストについて「通告したので、台風より紳士的なのかと思う」と発言したことに「ストと災害を同列に扱い、市民生活をないがしろにしており、離島軽視だ。個人的には謝罪を求めたい」と怒りをあらわにした。
伊良部和摩氏は「ちょうど畜産のセリとストが重なり『購買者が来ないのでは』と言われてかなり混乱した。こういうことが毎回発生すると、経済的損失がひどい」と批判。
友寄永三氏は「これまで外国船が入ったことで安全が損なわれた事例はない。労使交渉に当たらないストで、なぜ市民が犠牲にならないか全く理解できない」と疑問視。以下ソースで
中山義隆市長は「石垣市の市民生活と経済活動を守るための極めてまともな抗議だと思います」とコメント。
石垣市の市民生活と経済活動を守るための極めてまともな抗議だと思います。全港湾の石垣島の組合員にではなく、政治的な意図を持ったストを強行した本島の全港湾沖縄地方本部の委員長、執行部に対する抗議です。
「ストで離島住民脅かした」 市議会与党、全港湾に抗議 | https://t.co/yzGQJ06alp
— 中山よしたか(石垣市長) (@yoshitaka_ISG) March 19, 2024
中山市長は「全港湾の石垣島の組合員にではなく、政治的な意図を持ったストを強行した本島の全港湾沖縄地方本部の委員長、執行部に対する抗議です」ともコメントしているが、ストライキについては「住民生活を盾に取るスト」といった非難の声があがっていた。
別の報道では、中山市長は「地元の労働者にも『ストをするのか』という意見があったが、沖縄地方本部が強硬にストを指示したため、地元も従わざるを得ない状況だった。全港湾の委員長には認識を改めてほしい」とコメントし、「現地で実際にストを実施した組合員ではなく、ストを指示した山口順市委員長ら沖縄本島の執行部に問題があったと強調した」と報じられた(参考)。
政治ストが正当な争議行為として認められるかについては意見が割れているようだが、今回の例は「住民の生活を盾に取った」ということで、悪質な行為と考える。