次期戦闘機の第三国移転を政府が正式決定⇒小野寺氏「国際的にも評価され、既に他の防衛装備にも共同開発オファーが」
日独伊で共同開発を進めている次期戦闘機について、第三国移転を政府が決定。
政府は、26日の閣議で、イギリス・イタリアと共同開発を進めている次期戦闘機について、自民・公明両党の合意に基づき、歯止めを設けた上で第三国への輸出を容認する方針を決定しました。
この中では「わが国の安全保障環境にとって必要な性能を満たした戦闘機を実現し、日本の防衛に支障をきたさないようにするためには、第三国に移転しうる仕組みを持つ必要があるとの認識に至った」として、第三国への輸出を認めるとしています。
一方、実際に輸出する際には与党で協議を行うようにするため、通常の審議に加え、個別の案件ごとに閣議で決定するとしています。
また政府は26日の閣議決定を受けて、持ち回りでNSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開き、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を改正しました。
この中では第三国への輸出を認める一方、歯止めとして、対象を次期戦闘機に限り、輸出先を日本が防衛装備品の輸出などに関する協定を結んでいる国に絞るとともに、戦闘が行われている国には輸出しないとしています。
防衛装備の輸出拡大策を練る与党の作業部会の座長を務める小野寺五典元防衛相は次のようにコメント。なんと、「国際的にも評価され、既に他の防衛装備にも共同開発オファーが」とのこと。
今日、正式に次期戦闘機の第三国移転を政府が決定。思えばこの課題、昨年4月から私が座長を努める与党WCで議論を開始、約一年かかりましたが、その分深い議論ができ、世論調査でも賛成が過半数を占めることに。国際的にも評価され、既に他の防衛装備にも共同開発オファーが❗️https://t.co/V8fHTMVZtg
— 小野寺 五典 (@itsunori510) March 26, 2024
複数の国と共同開発となれば、今回の次期戦闘機でも解るように、技術を結集できるとともに、費用を分担することで開発コストを抑えられるというメリットがある。すぐれた防衛装備をより安く、より効率的に作れることになり、防衛力と抑止力の強化につながる。
また、小野寺氏が指摘するように、「次期戦闘機の第三国輸出の自公合意」について、世論調査では過半数が容認。
世論調査で、合意の評価について質問したところ「戦闘機以外も輸出を認めて良い」が12.8%、「歯止めをかけた輸出の合意は妥当」が38.0%、「より厳しい歯止めをかけるべき」が27.7%、「輸出を一切認めるべきではない」が14.9%となった。
世論の後押しがあってよかった。ただし、今後も「歯止めを設けた上で第三国への輸出」は徹底していただきたい。