選手達から選手村について不満続出。中には東京五輪と比較する選手も「日本はかなり組織化されていた」
日本選手から金メダリストが出るなど、連日盛り上がっているパリ五輪だが、選手村に目を向けると、パリ五輪の運営に各国の出場選手たちから苦情が相次いでいるそうだ。
クレームが相次ぐ状況に、責任者たちも対応に追われている。
現地時間7月29日、フランスの日刊紙『Le Parisien』は、目下開催中のパリ五輪の運営に各国の出場選手たちから苦情が相次いでいることをリポート。関係各所が異例の謝罪をしたことを報じている。
本格的な開幕からわずか3日であらゆる問題が山積している。とりわけ問題視されているのは、選手村の食事事情だ。3300人が利用可能となるメインレストランは提供される食事量が不十分で、さらにクオリティーも欠如していると伝えられた。
不測の事態を受け、緊急措置も取られた。英オリンピック委員会の理事を務めるアンディ・アンソン氏は、同国選手の食事提供のためにシェフを雇ったことを公表。母国誌『The Times』で「数日間で抜本的に見直す必要がある。選手たちは選手用の食堂で食事を取ること自体を嫌がっている」と語った。
引用元 苦情相次ぐ選手村の食事に担当会社が謝罪 それでも改善に不安の声は消えず「通常の基準とはかけ離れている」【パリ五輪】
ドイツの大衆紙『Bild』は、母国代表選手たちの赤裸々な告白を報道。その選手村の模様を伝えたリポート内でホッケー男子代表のクリストファー・リュールは「控えめに言っても食事のレベルは最悪だ」と断言。さらにピーク時にカオスな混雑状況に陥る環境をキッパリと断じている。
「ピーク時には長い時間、人の列に並ばなければいけない。そうするとやっと食事を手にした時には座席も少ない。まったく信じられないよ。それに食事の質も格別に良いわけじゃない」
さらにリュールと同僚のマッツ・グラムブッシュも「基本的にピークタイムは行列ができるから、食べるのにめちゃくちゃ時間がかかる」と率直な感想を吐露。「同じタイミングで来る人が多すぎるし、食事の質と量も良くない。パリという街に不満はない。ただ、不満があるとすれば、やっぱりここ(選手村)の食事だ。あれは競技を控えているアスリートたちが期待するようなものではない」と苛立ちを隠しはしなかった。
引用元 「控えめに言って最悪!」選手村の“厳しい食事事情”に不満続出! 独選手は苛立ちを隠さず「質と量も良くない」【パリ五輪】
パリ五輪運営の不手際もあるようだが、中には東京五輪と比較している選手もいるようで、「『The Times』の取材に匿名で回答した英国選手は、「食事にかなり苦労している」と吐露。21年の東京五輪と比較し、「日本はかなり組織化されていたし、不満はなかった。でもここは全く組織化されていない」と食堂の回転率の悪さなどに苛立ちを隠そうとしなかった」とのこと(参考)。他にも複数の大会に出場している選手が、五輪選手村の食事で一番印象的なのは「東京」と答えたそうだ(参考)。
確かに東京五輪の選手村の運営は選手たちから称賛されていた。日本の「おもてなし文化」がどれほど素晴らしいかうかがえる。
パリ五輪の組織委も改善を図っているようだが、選手たちが最高のパフォーマンスを疲労できる環境を整えて欲しい。