斎藤知事のパワハラ疑惑めぐり、地元市長らが「知事の対応は不適切」「県政が停滞」と苦言
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑など巡り、百条委員会の調査が進んでいるが、兵庫県の市長らの多くが、知事の対応を「不適切」とし、中には「県政が停滞していることを心配している」という意見があがっているようだ。
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調べる県議会の調査特別委員会(百条委員会)で23日、職員らの証人尋問が行われ、本格的な調査が始まった。職員からは「知事から強い叱責があった」との証言が出たほか、この日公開されたアンケートでは約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答。県内の市長会からも県政の混乱を指摘する要望書が出されるなど、斎藤氏を取り巻く環境は厳しさを増している。
中略
■多くの市長が「不適切」
処分を巡っては、男性が公益通報窓口にも情報を寄せていることなどから、不適切だったと指摘されている。この日、県内の全29市長でつくる県市長会が提出した要望書でも、斎藤氏の対応を「不適切」とした。
要望書には、一連の問題で県政が停滞していることに「ほぼ全員の市長が一致するところで、危機的とも評された」と記載。告発文書を公益通報の保護対象とせず、内部調査で男性を懲戒処分としたことに「多くの市長から不適切であるとの指摘があった」とした。県政運営における県と各市のコミュニケーション不足についても言及した。
市長会長の酒井隆明・丹波篠山市長は斎藤氏に要望書を手渡し、「県民のリーダーである知事が自分のことに追われ、県政が停滞していることを心配している」と述べた。
斎藤氏は要望書を受け取った後、記者団の取材に「県政に対する心配をおかけしている点について申し訳なく思う」と陳謝した。ただ、懲戒処分とした県の対応を「不適切」とする指摘については「ご指摘は受け止めるが、あくまで県が調査し対応した。法的な面を含め適切だ」と強調。市長会側との認識の違いが浮き彫りになった。
百条委員会の調査で、次々と新事実が明るみになっている。市長らの県政が停滞する心配は当然だ。市の事業には県が絡むことが非常に多い。この状況では市政も停滞する可能性すらある。
全国から兵庫県庁に苦情の電話が殺到し、兵庫県庁前で抗議活動も行われたという。県職員労働組合と自民党兵庫県連などは斎藤知事の辞職を求めたようだが、それでも知事は辞任する気配を見せない。そろそろ県議会は不信任決議に向けて動いた方がいいのではないだろうか。