【領空侵犯の意図はない?深読みするな?】領空侵犯の5日後、今度は中国測量艦が領海侵入。日中友好議連の遺憾砲は無視?
31日、今度は中国海軍の測量艦が領海に侵入。
領空侵犯を巡って、中国側は「いかなる国の領空も侵犯する意図はない」「この件について深読みをしないよう望む」などと訴えていた。だが、中国軍機の領空侵犯から5日後に測量艦が領海に侵入した。
防衛省は31日、中国海軍のシュパン級測量艦1隻が同日午前6時頃、鹿児島県・口永良部島の南西から領海に侵入し、2時間近く航行したと発表した。中国海軍艦艇の領海侵入は昨年9月以来で13回目となる。海上自衛隊の艦艇や航空機が警戒監視にあたった。
国連海洋法条約は軍艦を含む船舶に対し、沿岸国の安全を害さない限り、他国の領海を通航する「無害通航」の権利を認めているが、測量活動は該当しない。防衛省によると、測量艦に特異な動きはなく、同県・屋久島の南西から領海を出て南に向かった。
中国軍を巡っては8月26日、情報収集機1機が長崎県・男女群島沖の領空を侵犯している。外務省の鯰(なまず)博行・アジア大洋州局長は31日、在日中国大使館の施泳公使に対し、中国軍の一連の動きに強い懸念を伝え、抗議した。
8月31日午前6時、中国海軍の測量艦が、我が国領海内を航行したことを確認しました。これを受け、鯰アジア大洋州局長から施泳(し・えい)在京中国大使館公使に対し、我が国の強い懸念を伝え、抗議しました。https://t.co/gEnm5nzGZf
— 外務省 (@MofaJapan_jp) August 31, 2024
軍事ライターによると「領空侵入と異なり領海進入は条件次第で軍艦に無害通航が認められていますが、測量艦という性質と進入ルートから潜水艦の水中航路の作成が目的である可能性が高く、許可なく測量を行っていた場合は無害通航とは認められません。ただし中国側は違反の事実を認めようとしないでしょう」とのこと(参考)。
防衛省によると、領海侵入について確認したとの発表はあったが、測量活動の有無については発表されていない。
8月31日、中国海軍シュパン級測量艦1隻が口永良部島南西の我が国領海に入域したのを確認しました。中国海軍による領海への入域の公表は昨年9月以来の13度目であり、懸念すべきものです。#防衛省・自衛隊 は、領土・領海・領空を断固守り抜きます。 pic.twitter.com/M6rJqouZJm
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) August 31, 2024
自民党の小林鷹之前経済安全保障担当相は「日本の総裁選、米国の大統領選を前にした行動。看過できない事案であり、明確な意図を感じる」とコメント。
先日の領空侵犯に続き、今度は中国海軍測量船が領海侵入。日本の総裁選、米国の大統領選を前にした行動。看過できない事案であり、明確な意図を感じる。防衛力の抜本強化を加速する必要がある。
【読売】中国海軍の測量艦1隻、口永良部島沖から領海侵入…2時間近く航行https://t.co/qG45d9esSS
— 小林鷹之 (@kobahawk) August 31, 2024
同じく自民党の小野寺五典元防衛相は「中国軍の動きは看過できないもの」とコメント。
防衛省によると、中国海軍測量艦1隻が本日鹿児島県沖の日本の領海を一時侵犯。中国艦艇の周辺海域の領海内航行は昨年9/15以来。外交ルートで強い懸念を伝え抗議しているとのことですが、8/26の長崎県沖上空での情報収集機による領空侵犯といい、中国軍の動きは看過できないもの。対策を講じるよう要請…
— 小野寺 五典 (@itsunori510) August 31, 2024
国民民主党の玉木雄一郎代表は「日米の権力移行期を狙って、我が国の対応を試している」とコメント。
中国海軍の測量艦が、鹿児島県沖の日本の領海内に侵入した。先般の中国軍用機の領空侵犯に引き続いての領域侵犯事案。偶発的なミスとは思えず、やはり、日米の権力移行期を狙って、我が国の対応を試している。看過できない重大事案であり強く抗議する。政府にも対応を求める。 https://t.co/ufxD1PnECT
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) August 31, 2024
国会議員の方々は明確に何らかの意図があると思っているようだ。
因みに、1日には『尖閣周辺に中国船4隻 35日連続航行』との報道もあった。
日中友好議員連盟が訪中し、領空侵犯めぐり 中国共産党最高指導部に遺憾の意を表明し、再発防止を強く求めたばかり。これに対し中国側は、領空侵犯の意図はないと説明したうえで「当局間で適切に意思疎通がなされることを期待する」と述べたとのことで、領空と領海の違いはあれど、普通なら両国に軋轢が生じることは控えるはずだ。しかし、その考えが通じるのは同じ価値観を共有する国で、中国は違うようだ。
日中友好議連があまり意味のない議員連盟であることが確認できた。如何に中国が我が国を馬鹿にしているか、話にならない相手かがよく解る。「平和的外交で~」としきりに主張し、防衛力強化に反発している方々がいるが、実際はご覧の通りだ。
中国は領空侵犯を巡り「意図はない」「深読みしないで」と述べていたが、多くの方々が指摘していたように、鵜呑みにしてはならないことが改めて確認できた。