知床岬の開発、地元から太陽光パネル設置反対の声が多数あがり、計画中止
北海道知床岬で計画されていた携帯電話の基地局整備について、地元から太陽光パネルの設置反対の声があがったことで、国は計画を中止する発表をした。
半島の整備計画は、知床岬灯台にアンテナを設置し、約7000平方メートルに電源となる太陽光パネルを敷設する計画だった。
北海道知床岬での携帯電話の基地局整備について国は地元・斜里町の反対などを理由に計画の中止を発表しました。
知床半島の先端部・知床岬ではおととしの観光船沈没事故を受け携帯電話の基地局を整備する計画が進んでいました。
しかし、生態系への影響を懸念する斜里町民や有識者から基地局の電源となる太陽光パネルの設置について反対の声が上がっていて、国は(2024年10月)11日の会議で計画の中止を発表しました。
(山内浩彰 斜里町長)「合意形成ができるような工事内容であるべきだという点 で一致している」
国は「元々の計画を前提に工事を進めるのは難しい」としながらも、地元の合意が得られれば改めて整備計画を協議する方針です。
地元住民の団体が7月に、太陽光パネルの建設に反対するおよそ4万7600人分の署名を、斜里町長に提出していた(参考)。斜里町長は、署名の提出を受けて「多くの方の思いを重く受け止め、今後の対応を真摯に行いたい」とコメントしていて、今回、中止の方向になったようだ。
総務省によると、「この整備計画は地元自治体などからの要望で進められてきましたが、斜里町から半島先端部での工事の見直しを求める意見が出たことなどから、地元の合意が得られていないと判断した」とのこと(参考)。
ひとまず太陽光パネル設置による環境破壊からは回避できたようだ。通信環境の改善は地元漁業者からも要望があがっていた。どうやら知床岬灯台にアンテナを設置するには問題ないようで、「基地局の電源となる太陽光パネルの設置」に地元から反発があったようだ。
ネット上でも「アンテナだけではダメなのか?」といった声があがっている。
知床の山林を破壊して太陽光パネルを敷きつめるのはダメだろ
「今後、斜里町の中で、環境保護と通信環境の改善を両立できる整備のあり方を議論し、その結果をふまえてこの会議で新たな整備計画を立てることにしています。会議のあと、総務省の担当者は「自然環境の保護が求められる地域なので、地元の意見を尊重していきたい」と話しています」(参考)とのことなので、通信環境の整備の計画は進めるとしても、電源確保は他の方法を探した方が良さそうだ。