中国、日本人の短期訪中のビザ免除を再開する方向で最終調整。日本は中国人のビザ免除は受け入れないものの、申請手続きの簡素化を進める方向で調整???
中国が日本人に対する短期の訪中ビザ(査証)免除措置を再開する方向で最終調整しているとのこと。
中国は昨年12月から今年にかけて、計28カ国に対して、ビザ免除措置を行ってきたが、日本については依然として停止したまま(参考)。
石破首相と習主席の日中首脳会談がきっかけで動き出したようだ。
中国の習近平(シージンピン)政権が、日本人に対する短期の訪中ビザ(査証)免除措置を再開する方向で最終調整していることが関係者への取材で分かった。ペルーの首都リマで15日に行われた石破首相と習国家主席との会談で「戦略的互恵関係」の推進が確認されたことを受けた動きとみられる。
複数の中国の大手旅行会社には、早ければ11月中にも再開が発表されるとの情報が中国政府側から入っているという。
観光や商用などでの短期(15日以内)訪中ビザ免除は、コロナ禍の2020年3月まで日本とシンガポール、ブルネイの3か国だけに認められていた。経済低迷に悩む中国は昨年以降、訪中外国人客の需要を喚起する目的で、欧州や東南アジアを中心とする約30か国に訪中ビザ免除を認めたが、日本に対する措置の再開は認めてこなかった。
中国でビジネスを展開する日本企業からは中国への出張対応のためにビザ免除を希望する声が多くあり、日本政府は中国側に早期再開を度々求めていた。中国は国内の対日感情を意識して「相互主義」を主張し、日本側に中国人の訪日ビザに関する譲歩を要求した。日本側はビザ免除は受け入れないものの、申請手続きの簡素化を進める方向で調整していた。
日本に対する訪中ビザ免除は、日本の投資を呼び込みたい中国の地方政府からも再開を求める声が多く上がっていた。中国としても再開が経済的利益になると判断したとみられる。
習政権は石破氏を、日米同盟の強化を急速に進めた岸田前首相よりも「対中穏健派」とみている。トランプ次期米政権下で米中関係が一層悪化する懸念が強まる中、日本を取り込む思惑もありそうだ。
中国でビジネスを展開する日本企業にとっては喜ばしいことかもしれないが、気になるのは「中国は国内の対日感情を意識して「相互主義」を主張し、日本側に中国人の訪日ビザに関する譲歩を要求した。日本側はビザ免除は受け入れないものの、申請手続きの簡素化を進める方向で調整していた」という部分。
中国人のビザ免除を受け入れなかったのはいいが、申請手続きの簡素化とは、審査のハードルを下げることになり、ビザ免除程ではないが、より多くの中国人が日本を訪問しやすくなる。日本のインバウンド業界にとっては、中国人旅行客が増すことで嬉しいかもしれないが、一方では、ただでさえ最近は中国人の迷惑行為や犯罪が増えている中、日本に悪意のある人間が日本に入国しやすい状況になる恐れがある。
日本人に対する訪中ビザが免除になったからと言って、直ちに中国旅行者が増えるかと言ったら、最近の中国の治安を考えたらどうだろう。外務省は危険レベルをゼロのままにしているが、邦人襲撃や邦人拘束などのニュースを見た人は警戒しているのではないだろうか。
ネットの反応
こんなことすると中国からスパイがわんさとやって来るし、犯罪を犯す輩もやって来る。むしろ審査を厳しくするべきだと思うが・・・。
日本政府、外務省は中国への渡航制限やビザ発給を制限すべき実態なのに、なぜ交流を進めるのでしょうか。
あの怪しい法律を運用されている中で、中国へ行けと言われる駐在員はいるんだぞ?
行くからには、それ相応の覚悟が必要になるのでは無いでしょうか