【事務所は存続させるつもりらしい】ワシントン事務所巡り、県職員の「兼職状態」認め玉城知事が議会で謝罪
米ワシントン事務所問題を巡り、玉城デニー知事が議会で謝罪。
県はこれまで兼職には当たらないとしていたが、兼務状態を認め玉城知事は謝罪。だが、是正を行い事務所は存続させるつもりのようだ。
沖縄県が米ワシントン事務所を運営するため、営業実態のない株式会社を米国に設立し、駐在職員を「社長」などとして就労ビザ(査証)を取得していた問題を巡り、県は3日の県議会本会議で、職員が公務員と会社員の「兼職状態」だと認めた。地方公務員法は、許可なく営利団体の役員を兼ねることを禁じており、今後、同法に基づき知事に兼職許可の手続きをとるという。
この日の本会議で、溜政仁・県知事公室長は、駐在職員について「県職員としての身分と、米国法制度との整合性を確保するために設立した会社の役員の二つを併せ持つ」との認識を示した。県はこれまで兼職には当たらないとしていた。兼職許可を申請していない点については、県は事実関係を精査して懲戒処分などの対象となるかどうかを判断する方針。一方、溜氏は「(米国法上は)法人の設立やビザの取得に関して違法性はない」と述べた。
同事務所を巡っては、これまで県が議会に経営状況を報告せず、保有株式を公有財産登録していないことなども判明している。玉城デニー知事は議会で「県民に対する信頼を著しく損なったことを強く反省をしたい。速やかに調査し、是正を図り、県民に説明を行う」と謝罪した。
同事務所は2015年、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対などを米側に直接訴える目的で開設された。当初、米政府から「政治的だ」として事業者登録に難色を示されたため、職員が企業の転勤者向けに発給される「L」ビザを取得できるように、県全額出資の株式会社を設立。職員がビザを取得する際には、県側が県との雇用関係を否定する書類を提出した。同事務所では現在、2人の職員が兼職許可を得ずに勤務している。
「兼職許可を申請していない点については、県は事実関係を精査して懲戒処分などの対象となるかどうかを判断する方針」とあるが、職員個人を懲戒処分するのだろうか?県が設立し、100%県出資の株式会社ということから、「行け」と命じたのは県ではないのか?そうであれば責任は県にあるのではないか。
また、兼職許可の手続きを行って良しとするようだが、地方公務員法第三十条には「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」とあり、兼業することで職務の妨げになっていないか追及する必要があるのではないだろうか。
それに、「これまで県が議会に経営状況を報告せず、保有株式を公有財産登録していない」という問題や、米国に虚偽報告をしていた「職員がビザを取得する際には、県側が県との雇用関係を否定する書類を提出した」という問題が解決していない。「駐在員の給与は全額県が支給しており、会社からの役員報酬はない」との報道もある(参考)。こんな嘘や隠蔽まみれの事務所を存続させていいわけがない。県議会野党のさらなる追求に期待する。