英国がTPPに正式加盟!12か国体制に。 米業界「輸出を拡大するチャンス」
イギリスのTPP加盟を認める議定書が15日発行され、12か国体制となった。
英国の環太平洋連携協定(TPP)加盟を認める議定書が15日(日本時間同日)発効した。2018年に11カ国で発効後、新規加盟は初めて。アジア太平洋中心だったTPPは欧州に拡大した。12カ国体制となり、国内総生産の合計が世界全体の約15%を占める経済圏が始動した。
米国では、17年にTPPから離脱し自由貿易に否定的なトランプ次期大統領の就任を来年1月に控える。世界の保護主義傾斜を警戒する日英などの加盟国は、経済大国の米中が不在の枠組みで、市場開放路線を進める。
TPPは貿易自由化を図るため、関税撤廃や削減のほか、投資ルールの透明化を進める仕組み。英国と経済連携協定を締結済みの日本にとっては、新たに精米などの関税が撤廃される。英国の加盟により、TPP加盟国の貿易総額(22年時点)は、8兆7千億ドル(約1340兆円)、人口は5億8千万人規模に膨らむ。
英国の保守党前政権は21年にTPP加盟を申請。今年7月に政権を奪取した労働党もTPPについては前政権の路線を引き継いでいる。
英国の加盟で、関連の関税が撤廃となり、日本の米業界が動いた。
日本のコメ業界は熱視線を送る。英国のTPP加盟で、関連の関税が撤廃されるためだ。精米は現在の「1キロ約20円」が即時に、パックご飯は「8%+1キロ約60円」が5年かけて段階的に、支払う必要がなくなる。
一般社団法人「全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会」(全米輸)は11月18日、ロンドンでイベントを開いた。会場には炊きたての米の香りが広がり、イクラや高菜を具材としたおにぎりのほか、英国で人気が高まっているカレーライスが振る舞われた。
中略
全米輸専務理事の細田浩之さんは「英国への輸出を拡大するチャンスだと思っている」と語る。「日本の米はおいしいけど高い、と言われることが多かったが、競争力が増すはずだ」
日本の米のおいしさは海外に知れ渡っている。
国は米の生産量を増やす取り組みを行っているが、今年の米不足のように、輸出により需要が増えれば、需給の逼迫がまた起こる可能性もある。
8月9月の米不足が毎年恒例にならないように、しっかり自治体と協力して農業支援をして欲しい。
ネットの反応
私がTPP担当大臣の時に交渉を始めた、英国のCPTPP加盟が実現しました。
準同盟国とも言うべき強力な同志国である英国の加入は、自由で公正な経済秩序の拡大のみならず、戦略的にも大きな意義があります。https://t.co/eQkuLcEzaz https://t.co/BVNboZFrGt pic.twitter.com/vazQEbcbq3— 西村やすとし NISHIMURA Yasutoshi (@nishy03) December 15, 2024