
枝野氏発言巡り、党内から反発の声続出。江田氏も「看過できない。大変遺憾に思う」と不快感。党内対立激化か
立憲民主党の枝野幸男元代表が窮地に陥っている。
枝野氏の発言「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党を作ってください」について、野田佳彦代表は「党分裂したいと思っていない」と否定。小沢一郎氏は「意見の違うやつは党を出て行けということだ。そういうことは言ってはいけない」と批判していた。
そして、減税派の江田憲司元代表代行も「看過できない。大変遺憾に思う」と不快感を示した。
立憲民主党の江田憲司・元代表代行は15日、国会内で開いた党有志議員による「食料品の消費税ゼロ%を実現する会」総会冒頭であいさつし、党内にある消費税減税をめぐる議論について、枝野幸男元代表が「参院選目当ての無責任なポピュリスト」などと批判したことについて、「看過できない。大変遺憾に思う」と不快感を示した。
枝野氏は12日のさいたま市の会合で、折からの物価高や「トランプ関税」への対応として、党内で消費税減税を求める声が強まっていることをめぐり「参院選目当ての無責任なポピュリスト」「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党をつくるべきだ」と、強い調子で指摘した。
江田氏は「元党首から消費税の問題は代表選で決着ずみなんだとか、消費減税を言うなら別の党をつくってくれというような大変残念な発言があった。私もニュースを見て、目や耳を疑った」と不快感を示した。 その上で「党内民主主義や、党是である多様性を尊重する理念にも反している。なによりも、政策論議、政策提言、言論の自由をこういう形で封鎖しようというのは看過できない。大変遺憾に思う」と批判した。
また「こういったどう喝や圧力に屈することなく、正々堂々と、党内の政策論議を深めて、粛々と党内手続きにかけていくことが大事だ。それで党の公約に盛り込んでいきたい」として、「消費税の問題は、過去の(党内分裂などの)反省から、絶対に政局にはしない。党内一体でまとまって選挙に臨めるような、国民の胸に響く政策をという思いでやってきた」と強調。今後まとめる提言の報告書を「先頭に立って(党内に)しっかり説明していきたい」と述べた。
党内から枝野氏の発言に反発する声が続々と報じられている。立憲内からは「分党発言で枝野氏の代表復活の芽はなくなった。党内を包摂できないのだから支持されないだろう」という声もあがっているという(参考)。
一方で、枝野氏を擁護していことが報じられているのが小川幹事長で『枝野氏の発言について、「安易なポピュリズムに流れがちな政治風土に対して、大きな危惧を抱いていることは大変共感し、敬意を持って聞いている」とした上で、「特に(立憲の)創業者のおっしゃることは、極めて真摯に謙虚に、現執行部としても受け止めなければならない」との認識を示した』と報じられていた(参考)。小川幹事長も減税を否定する主張が目立つことから、税に関しては枝野氏と同じ考えなのだろう。他にも米山隆一氏がⅩで「枝野さんの言葉は「財源なき減税主張をするなら」と言う事で、現在全ての案が財源の議論をしている以上、傲慢とか恫喝とかは当たらず、針小棒大に言い募る事こそ慎むべきです」と枝野氏を擁護していた。米山氏は小西ひろゆき氏などと共に、国民民主党の減税案に反発していた。
減税を巡り、党内対立が激化しそうだ。参院選を前に執行部はどのようにさばくか見ものだ。