
自民「護る会」が政府の戦争検証を見送るよう要請。首相「検証結果を踏まえたメッセージを8月に発表したい」に「わずか数カ月でできるものではない」と指摘
自民党の「日本の尊厳と国益を護る会」は、先の大戦について、政府が検討する有識者会議による検証を見送るよう石破茂首相に求める要請書を提出した。
自民党の保守系議員連盟「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は7日、先の大戦について、政府が検討する有識者会議による検証を見送るよう石破茂首相に求める要請書を提出した。
首相は戦後80年の節目に合わせ、検証結果を踏まえたメッセージを8月に発表したい考えだが、調整が難航する可能性もある。
議連代表の青山繁晴参院議員らが林芳正官房長官と国会内で面会し、首相宛ての要請書を手渡した。林氏は「戦後80年に向けたメッセージの在り方は何ら決まっていない」と述べた上で、首相に伝えると応じた。林氏はこの後の記者会見で「石破内閣は歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継ぐ」と述べた。
要請書では、政府が植民地支配への「反省とおわび」を表明した戦後50年の村山富市首相談話(1995年)により「わが国の尊厳は不当に汚され国益を損なった」と批判。戦後70年の安倍晋三首相談話(2015年)で謝罪外交を終えたとして、「先の大戦の検証という重大事はわずか数カ月でできるものではない」と反対した。
石破首相はかねて「二度と戦争を起こさないために考えたい」として戦争に至った経緯などの検証に意欲を示してきた。8月15日の終戦の日に向け、記者会見などで自身の見解を示す意向だ。歴史認識問題の再燃を避けるため、閣議決定による「首相談話」は見合わせる。
それでも自民保守派の反発の強さが浮き彫りとなった格好だ。党幹部は議連の動きに「単なるパフォーマンスだ」と不快感を示すものの、青山氏は記者団に「中国や韓国などに対し、わが国を非難する口実を再び与える可能性が高い」と懸念を示した。
以下ソースで
戦後80年の首相談話を巡り、石破首相は意欲を示していたものの、麻生党最高顧問から「絶対に出すべきではない。安倍晋三(元首相)氏がどれだけ苦労したか分かっているのか」との意見があり見送った。『関係者によると、麻生氏は首相に戦後70年談話は安倍氏が半年ほどかけて準備したと伝え、外交上も影響が大きいと説いた。首相は「そこまでされていたのですか」と漏らしたという。その後、首相は徐々に後退し、最近は周囲に「談話にはこだわっていない」と語るようになった』と報じられていた(参考)。
この程度の認識では、検証でも党内から反発があるのも無理はない。
「首相は戦後80年の節目に合わせ、検証結果を踏まえたメッセージを8月に発表したい考え」とのことだが、もう時間はあまり残っていない。護る会が「わずか数カ月でできるものではない」と指摘しているように、時間をかけて徹底的にまとめるならまだしも、中途半端なものならやらない方がいい。本当に戦後検証をしたいのならば、石破内閣が設立した時点で検証を始めるべきだった。それでも反発はあっただろうが。
それよりも今は国民生活に注力していただきたい。