
高市吉村対談でマスメディアが見落としていること
前向きな相手とは実は交渉上手であることがわかってきた高市総理。閣僚名簿も整え、これから新しい政権をスタートさせます。
早速、維新との協議内容に沿って様々な政策を動かすようです。臨時国会は年内12月17日までと見られていますが、議員定数削減法案とスパイ防止法案ですでに議論が急騰することが予測されており、早々から年内ギリギリまでの延長、または越年国会になるのではとも見られています。
その維新との事前協議で結ばれた同意内容はさておき、その他連立交渉でどんな内容が話されてきたか、マスメディアに漏れていなさそうな論点が組閣から見えてきました。
維新との議員間調整、選挙区調整の方針です。
選挙区調整は基本的に衆議院小選挙区で行われます。

実は、今回の組閣では維新の現職議員、比例復活も含めて、衆議院議員の選挙区が重なる議員は組閣に組み込まれませんでした。
かなり新陳代謝の進んだ若手登用や、なぜか多い茂木派からの登用はそうした事情も入っているのかもしれません。
参考: 高市早苗推薦人
【衆院】★古屋圭司(無派閥、岐阜5)、安藤高夫(旧安倍派、比例東京)、今枝宗一郎(麻生派、愛知14)、尾崎正直(旧二階派、高知2)、黄川田仁志(無派閥、埼玉3)、工藤彰三(麻生派、比例東海)、小林茂樹(旧二階派、比例近畿)、高木啓(旧安倍派、東京12)、中村裕之(麻生派、比例北海道)、仁木博文(麻生派、徳島1)、平沼正二郎(旧二階派、比例中国)、松島みどり(旧安倍派、東京14)、松本尚(旧安倍派、千葉13)、山口壮(麻生派、兵庫12)
【参院】有村治子(麻生派、比例)、生稲晃子(旧安倍派、東京)、小野田紀美(旧茂木派、岡山)、片山さつき(旧安倍派、比例)、中曽根弘文(旧二階派、群馬)、若林洋平(旧二階派、静岡)
中曽根弘文氏は議長志望ということなので、組閣に入らなかったのは納得できますが、割と推薦人で大臣や要職起用が目されていた人は組閣に組み込まれませんでした。

(出典 首相官邸)
例えば、高市早苗推薦人に入っている中で二期目の松本尚議員はデジタル大臣に抜擢されましたが、割と大御所の高木啓議員と山口壮議員は無役となりました。実はこの二人のところには比例復活なのですが、維新現職議員の選挙区支部長がいます。
また、注目は工藤彰三議員です。麻生派でもあり、当選五回。副大臣も経験しており維新現職もいませんが無役です。実は工藤議員は小選挙区で負けて比例復活です。
これから衆議院議員の比例区削減の議論を行う中で、比例区選出議員が閣内にいるのは良くないという判断もあったものと思われます。
つまり、閣僚を決める際の優先度として、まず維新現職とバッティングしないこと。次に選挙区で勝っていることを重視したと見られます。閣僚の平均年齢を若くすることや新しい顔を入れること、女性を多くすることも維新の会の吉村代表と話を合わせたものと見られます。
尚、閣僚の中で比例復活は松本洋平文科大臣一人です。これは小林鷹之政調会長からの要請による登用なので例外的と見られます。
本来であれば女性登用がもう少し多くなるようでしたが、事前身体検査や個別の事情で役職を固辞されるなどあったのでポストの調整が最後まで候補者を何度も入れ直したということもあったようです。
若手登用は維新の方針でも重視されているところでもあります。
以上のことから、今回の閣僚名簿から維新との連立の方向性がかなり見えてきます。
現時点で選挙区調整議論は行わないが、比例区減法案成立のあと、与党としては空いた公明選挙区なども含めて調整を行うものと思われます。現段階では維新の内部を刺激しない方針としたようにみえます。
また、政治家の新陳代謝を急激に進めようとする流れが見て取れます。これは維新執行部をみても分かる通りですが、自民党にもその姿勢を取るよう促しているようです。
これは立憲や公明、共産など含めた政界のトレンドになっていくかもしれません。
自維合意内容は現役世代を重視し、過剰福祉を排する方針が見て取れるため、高齢層だから働けるのに働かないなどといった凝り固まった考えを打破していくものと見られます。政治はスペクタクルと言いますが、まさにそうした要素を意識しています。
年金や社会保障に頼りきりの生活者を減らし、日本全体で働ける限り働けば確かに日本の生産性も上がるし、外国人問題も極力抑えていけるものと思われます。
今後の日本経済成長の起爆剤として、高市吉村による自維連合政権が好スタートを切れることを応援しています。


