
防衛費めぐり高市総理と共産・田村委員長が論戦バトル!枝野委員長が制止
11日の衆院予算委員会で、高市総理と共産党の田村委員長が防衛費をめぐりバトル。
11日の衆院予算委で、共産党は田村智子委員長が質問に立ち、持ち時間の約40分の全てを防衛関係に投入して高市早苗首相を追及した。
「存立危機事態」「ミサイル配備」で激しい質問が続き、終盤は「防衛費」で激突。高市首相が打ち出した、防衛費をGDP比2%にする政府目標の2年前倒しに関して、「総理がどう言おうと客観的にアメリカの要求を受け入れたとなりますよ」と指摘。ささやかれるGDP比3・5%要求も「アメリカの政治家の発言で、日本に要求されているのは事実」だとして「この場ではっきり、アメリカに言われる筋合いではないと表明していただきたい」と求めた。
高市首相は「私がまず、トランプ大統領から何の数字も規模感も伝えられていないのが事実」とし、「仮に(すでに)アメリカから3・5%の数字を伝えられていたら、2%では足りんだろうという反応になる。2%もアメリカに言われて前倒しするわけでない」と述べた。
世界の戦争状況を「明らかに戦い方が変わってる。ドローンですごい攻撃がなされている」と指摘し、「継戦能力を高めるため世界各国が動き出してる中で、ニーズがあるものにしっかり予算をつけていく。当たり前じゃないでしょうか」と語った。
田村氏は「もう戦争準備が当たり前と聞こえますよ」と批判。「3・5%要求は周知の事実」と主張し、「拒否しなきゃいけない!3・5%に増額となれば21兆円」と述べた。
トランプ大統領来日時の米空母での言動も批判し、「3・5%で21兆円。あり得ない!あり得ないと表明していただきたい!あり得ない!」と迫った。
これに高市首相は「アメリカから何も私に要求がないのに、3・5%といきなり言われても、どうしようもありません!」と反論。次第に口調が強くなり「これは日本が主体的に必要な防衛力を整備して国民の皆様と国土を守るために、抑止力を持つ、これが全て」と訴え、「あの、なんか、おっしゃってる事が外交努力、外交努力と。外交が大事なのは当たり前!外交力も必要、防衛力も必要ですよ」とヒートアップした。
ここで枝野幸男委員長が「時間を過ぎておりますので、答弁を簡潔にお願いします」と求めると、高市首相は一旦怒りを飲み込むようにして、「それだと世界のどこでも戦争は起こらないはずじゃないですか。現実に今、起こってるわけです!」と述べた。
枝野委員長が田村氏の質問終了を告げる中、田村氏が「どう聞いても3・5%を否定されなかった!重大だと思います!」と声をあげ、枝野委員長が「田村さんの質疑は終了しました」と制止した。
田村氏の主張は受け入れ難いものの、これぞ国会論戦。どっかの低レベルな質問を繰り返す政党議員らよりはよっぽど見ごたえがあったと思う。
共産党の平和外交の理念は素晴らしいものだが、外交と軍事力は、国家の安全と国益を守るために相互に補完し合う関係にある。外交は平和的な手段で国家間の問題を解決しようとする一方で、その交渉力や説得力を高めるためには、軍事力に裏付けられた「防衛力」が重要と言うことはもはや世界共通の認識。
日本がどのような国に囲まれているかご存知だと思う。中国、ロシア、北朝鮮と、世界屈指の無法者国家に囲まれている。それでも何とか渡り合っているのは、外交に尽力するとともに、防衛力増強や同盟国・友好国との連携を深め抑止力を高めているからだ。抑止力を失えば、そのとたんに中国・ロシアはさらに日本を見下すだろう。
いい加減に防衛力強化=戦争に進むではなく、防衛力強化こそが戦争回避の手段と理解して欲しいものだ。


