
メルツ首相が脱原発政策を「重大な戦略的失敗だ」最後の原子炉3基について「稼働させておくべきだった」
ドイツは「環境先進国」「再エネ先進国」として知られ、早期からのエネルギー転換政策で、風力・太陽光・バイオマスなどを中心に再エネ比率を大幅に拡大し、脱原発も進め、世界のエネルギー転換の象徴とされていた。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー危機に直面し、電力価格高騰や産業の競争力低下、エネルギー安定供給の課題が浮き彫りになり、メルツ首相が脱原発政策を「重大な戦略的失敗だ」と語った。
ドイツのメルツ首相は14日、東部ハレでの会合で、2011年の東京電力福島第1原発事故後にドイツが進めた脱原発政策を「重大な戦略的失敗だ」と批判した。同国のメディアが15日報じた。ドイツでは電気代が高止まりし、産業界で高コストへの不満が根強い。
原発は事故後、安全性への懸念が指摘されたが、一部の国では温室効果ガス排出削減の手段として期待感がある。昨年5月にはベルギーが脱原発政策撤回を発表しており、メルツ氏の発言により原発を見直す動きが強まる可能性がある。
メルツ氏は「許容できる価格で再びエネルギーを生産したいが、不可能だ」と指摘。23年に発電を停止した最後の原子炉3基について「稼働させておくべきだった。そうすれば当時と同じ発電能力を確保できた」と嘆いた。
その上で「世界中で最もコストのかかるエネルギーの転換を進めている。ドイツほど困難でコストのかかる取り組みをしている国は他に知らない」と強調。エネルギー生産能力が不足しているとして、発電設備の整備を急ぐ考えを示した。
(出典 ドイツ連邦政府ウェブサイト)
ドイツは日本と比較して産業用電力が3.5倍で、家庭用電力は1.5~2倍程度だという。エネルギー危機下では一時的に日本の14倍に跳ね上がった時があったよう。
今のところ日本はエネルギー多様化(エネルギーミックス)を進めているが、早期の原発ゼロを主張する政党もある。ドイツの反省を自らの教訓と考えた方が良さそうだ。
環境問題や脱原発を主張するのはいいが、理想だけを掲げ無謀な政策に突っ込めば、割を食うのは国民だということを象徴している。温室効果ガス排出削減の手段は再エネだけではない。
AI技術の発展に伴うデータセンターの増加やEⅤの普及などにより、主に先進国で電力需要が大幅に伸びている。バックアップ電源の強化をしていかなければ、将来的に深刻な電力不足になると指摘されている。
ベルギーは一時脱原発を進めていたが、エネルギー安全保障のため脱原発政策を撤回し、原発の活用を強化する方針に転換した。アメリカも再エネに加え、原子力の活用を検討・投資している。
ネットの反応
結局、理想だけで飯は食えない。


