高市総理は減税だけではない。真の狙い、消費税改革とは?

高市総理はかねてより消費税について以下のように説明されている。

「日本で消費税を導入して以来初めての消費税減税になる。私はかねてより、将来急な感染症や大災害などが発生した際に、コロナ禍における欧州と同様、消費税率を柔軟に変更できるシステムなどを構築する必要があると考えてきた。」

マスメディアはあまりこの発言に注視しないが、高市総理は欧州と同様の柔軟に消費税率を変更できるシステムにするつもりなのである。

いつもは欧州に倣えと言う人たちもこの点については全く触らずであるからここで説明する。

欧州の消費税率変更事例は実はかなりあるので、事例を紹介する。

ドイツ
2020年7月1日~12月31日(半年間) 標準税率:19% → 16%
軽減税率(食料品など):7% → 5%

英国
2020年7月15日~(当初2021年1月12日まで、後に延長され段階的に2022年頃まで) 飲食・宿泊・観光・娯楽業などの対象業種:20% → 5%

アイルランド
2020年9月1日~2021年2月28日 標準税率:23% → 21%

オーストリア
2020年7月1日~12月31日頃 飲食・カフェ・文化・スポーツ入場・出版など特定分野:20%や13%など → 5%や10%に引き下げ

チェコ:宿泊・スポーツ・文化活動:15% → 10%(2020年7月~12月頃)

この他にも事例は多くある。

ほとんどが期間限定(数ヶ月~1年程度)で、公表から実施まで短期間(数週間~1ヶ月程度)、緊急対応として実施されている。

金融危機時(2008-09年頃)に英国などで一時的な標準税率引き下げが行われた例もある。

確かにこれらの国で行われた消費税に同等する減税が商品価格に転嫁された率は50〜70%程度が多く、減税分きっちり値下げされたというわけではありませんが、それは当たり前である。

基本的に緊急対応は外的要因の重なるコストプッシュインフレの時に行うのですから値上げを計算して商品の値付けを行うのは当然のこと。

減税時の価格下落幅より、税率復帰時の上昇幅の方が大きいといった指摘もあるが、それも同様にインフレ局面であるから言わずもがなである。

減税期間後に国民に負担を増やさないために、終了時の設計も重要であるのも確かであるが、高市総理はこのタイミングで給付型税額控除を始めるとしている。

通貨が崩れる心配も少ない。日本が今回崩れるならば他国通貨はとっくに崩れている。

さて、本題である。日本の固定化した税制改正スキームについてである。基本的に日本の税制改正は年一回である。

まず、民間の業界団体等が夏頃までに税制改正要望を行い、それを受けて自民党税調が税制改正をまとめ、年末に政府に対して税制改正大綱を提出し、政府が閣議決定し各種法案を国会に提出する。

このように、日本の税制改正は年間通じて調整するスキームが固定化してしまっているため、緊急的に発生した税制改正に対応できるシステムとなっていないのだ。

自民党税調が税制議論を受け入れなければ日本の税改正は進まない。その仕組みこそ聖域であり、『税調のドン』山中貞則以来、総理も手を入れられない権力の源泉でもある。

この税調の聖域を総理は変えると言うことなのかもしれない。今まで誰もが触れなかった聖域にメスを入れるというならより一層注目である。

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