
辺野古転覆事故巡り、県と知事の責任を矮小化する小沢一郎氏「知事の責任でも何でもない話」「不幸なこと利用し悪宣伝する人も」
5日、小沢一郎元衆院議員は那覇市内で記者団の取材に応じ、辺野古沖転覆事故が9月の沖縄県知事選に与える影響についてこう述べた。「別に(玉城デニー)知事の責任でも何でもない話だが、不幸なことも利用し悪宣伝する人が増えるから、きちんと念頭に置いて認識し、対応しなくてはいけない」この発言は、事故の重大性と背景を著しく矮小化するものだ。直接の法的責任がないことを盾に、政治的・行政的責任まで否定しようとする姿勢は、到底受け入れられるものではない。
直接責任と政治的責任は別物である
事故の直接的な原因究明では、運航した「ヘリ基地反対協議会」の安全管理不備や無登録営業(海上運送法違反)、同志社国際高校の安全配慮義務違反が指摘されている。県や知事が船を運航したり、学校の研修を直接指示したりしたわけではないため、「知事がこの事故を起こした」という法的責任を問うのは難しい。しかし、政治的・行政的責任はまったく別の次元の話だ。辺野古移設反対を県政の柱に据え、反対運動を積極的に後押ししてきた知事の立場を考えれば、責任を「何でもない」と言い切ることはできない。
支援者団体との密接な関係
転覆した船を運航していたヘリ基地反対協議会は、オール沖縄の中核的な構成団体である。玉城知事自身も事故後の会見で「辺野古『新基地』建設に対する反対運動などを行っている団体で、考え方は私と共通するところがある」と認めている。過去には平和丸に「デニー知事と共に頑張る」という垂れ幕が掲げられたことも確認されている。
支援者団体が危険な海上抗議を繰り返し、高校生を乗せた「平和学習」まで実施していた事実を、知事が知らなかったとは考えにくい。
自ら現場で反対運動を鼓舞してきた
玉城知事は単なる「放置」の立場ではなかった。2018の当選直後や、政府による土砂投入開始翌日の12月15日には、キャンプ・シュワブのゲート前(テント村・座り込み現場)を訪れ、反対派を直接激励している。「我々の闘いは止まらない」「決してひるんだり、恐れたり、くじけたりしない」「絶対に諦めない」こうした言葉で士気を高めてきたのは、紛れもなく知事自身だ。公用車で違法テント周辺を訪れたとされる場面も指摘されている。
危険を伴う抗議活動を「正義の活動」として公に肯定し、鼓舞してきた立場にある以上、「長年放置してきた」どころか「積極的に後押ししてきた」責任は免れない。
のらりくらりとした事故後の対応
事故後の知事の発言も、責任を正面から受け止めているとは言い難い。「抗議船というくくりで安全性に問題があるということではない」「学校側の判断だ」と、運航団体を擁護し、責任を学校に押しつけるような答弁が目立つ。支援者団体との関係や、長年の活動容認についての深い反省はほとんど語られていない。こうしたのらりくらりとした対応自体が、やましいところや支持基盤を守ろうとする意図を示唆している。
小沢氏が知事選で玉城氏を支持するのは自由だ。しかし、事故の背景を無視して「責任でも何でもない」と切り捨てるのは、責任の明確な矮小化である。
政治的な応援と、事実に基づく責任の指摘は両立すべきものだ。不幸な事故を「悪宣伝」の材料に矮小化するのではなく、支援者団体の危険な活動を容認・鼓舞してきた政治的・行政的責任を直視することこそが、求められている。
💬 このニュースに関するXの反応・意見を見る
X(Twitter)でこの記事の投稿を見る(コメント・リポスト)

