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「自衛隊の炊き出しゼロ。政府が機能していない。民間やボランティア任せにするな」奥田氏の批判は完全にお門違い




2026年熊本地震で、いのちの党・奥田ふみよ参議院議員が「自衛隊の炊き出しゼロ。政府が機能していない。民間やボランティア任せにするな」と強く批判した。防衛省への問い合わせで給食支援なしと確認された事実を基に、政府・自衛隊に矛先を向けた内容だ。

しかし、これはお門違いである。防衛省の公式回答通り、8月10日時点で自衛隊による現場での炊き出し実績はゼロだった。しかし、これは「やらない」のではなく、「要請がなかった」結果である。

自衛隊の災害派遣は自衛隊法第83条に基づき、都道府県知事などからの要請を受けて実施されるのが大原則だ。勝手に出動したり、要請されていない活動を独自に始めたりすることはできない。

今回も熊本県知事から「生活支援等」の要請は出たが、炊き出しという具体的な要請はなかった。避難所の給食責任はまず自治体にあり、民間NPOやボランティア、キッチンカーで賄える場合は要請が出ないのが通常である。過去の2016年熊本地震や2024年能登半島地震では早期に要請があって実施された事例があるが、今回は被害の広がり方や民間支援が比較的早く機能していたことが背景にある。

奥田氏の投稿は「自衛隊の炊き出しゼロ」という事実の一部を強調し、「政府が機能していない」と結論づけている。しかし、
・炊き出しの有無は主に自治体からの具体的な要請の有無で決まる。
・国会議員であれば、この要請主義の基本を当然知るべき立場にある。
・「民間・ボランティア任せにするな」と国に求めるなら、まず「なぜ自治体が要請しなかったのか」を検証し、県や市町村に問うのが筋である。

国は全体調整やプッシュ型支援の役割を果たしており、自衛隊も要請された範囲で全力で活動している。要請を無視した「ゼロ批判」は、現場で給水・入浴支援に当たる隊員の努力を軽視するものになりかねない。X上でも「災害派遣は自治体要請が大原則」「議員なら法律を勉強しろ」「批判するならまず県だ」といった反論が多数出ており、情報を正確に追う人ほど奥田氏の主張を「一面的な政治的アピール」と見ている。

被災者支援を本当に重視するなら、キャッチーな「ゼロ批判」ではなく、制度の仕組みを正確に伝えた上で、責任の所在を整理すべきだ。自衛隊はボランティア集団ではなく、要請があれば命懸けで使命を果たすプロフェッショナルな組織である。

奥田氏には、事実の一部を切り取って政府批判に直結させるのではなく、自治体の判断を含めた全体像を検証し、建設的な提言をすることを期待したい。被災地の実情に寄り添うなら、まず正しい仕組みの理解から始めるべきだろう。

 




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