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円キャリートレードを放置してきた日銀の世界的失態

日米協調介入にまで発展した為替対策。なぜこのような事態となったか?振り返れば自国だけしか意識してこなかった日銀の対処遅れが要因である。

転換点となった2022年に目を向けると、米国金利をはじめとした世界的金利上昇が始まった。2022年の各国が上げた利率は次のとおりである。

日本 −0.1%
米国 5.5%
ユーロ圏 4%
英国 5.25%
豪州 4%台

参考: https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/newyork.html

2022年と言えば、ウクライナ戦争が始まった頃である。日本国内で小麦をはじめとした価格高騰が起こり始めたことは誰もが認識していたはずだったが、日銀は動かなかった。

2024年8月になって政策金利を上げたが、やっと0.25%だ。世界では一気に4%-5%も上げたにも関わらず、日本ではほぼ金利据え置きであった。

この間、急激な円キャリートレードが巻き起こる。円キャリートレードとは金利の安い円を借り入れて金利の高い通貨に変えて運用することである。グローバルファンドが楽してボロ儲けできる仕組みである。

実際にドル円の為替は急激に動いた。2022年1月のドル円は1ドル115円であった。今では信じられない為替だ。ここからわずか三年、2024年6月にはあっという間に1ドル160円となったのだ。

これは予期できなかったのか?いや、できたはずである。各国の中央銀行を取りまとめている国際決済銀行のデータでは円建信用残高が2022年頃から明らかに増加しているのである。円安の兆候である。

円建信用残高というのは要すると海外でどれほど円の調達が行われてるか?という指標である。もちろん、海外円調達の全てを把握できてるわけではない。

2021年末までは46.6兆円だったものが、2022年6月には49.8兆円、9月には50.7兆円と増え始めたのである。2023年6月には58兆円、2024年末には69兆円と極端な伸び方をした。

明らかに利率の低い円を調達して、高金利商品を運用する円キャリートレードが爆発的に増えている証拠である。

誰が見ても円安になることは明らかであったが、日銀の対応は2024年に金利を0.25%上げたあと、段階的に2026年6月にやっと1%まで上げただけである。

世界と比較してこの対応の遅さは致命的であり、各国の為替混乱を引き起こした要因を担ったと言ってもいいくらいの失態である。

この日銀の失態をいま、政治が対応しているのである。

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