
アメリカで発覚した中国による影響工作の論調が日経新聞論調と重なっている??
X社は同社運営のプラットフォーム上で約20万アカウント規模のボットファームを特定し、その中の約200アカウントが「AIデータセンターが家庭用電気料金を押し上げ、電力網に負荷をかけている」といった主張をしデータセンター事業者が国民負担で利益を得ているようなAI生成漫画を投稿などもし、拡散もしていた。
これらは米国のAI・エネルギー政策及びデータセンターに関する議論を操作する可能性のある工作アカウント(中国系と疑われるもの)として、X社はポリシー違反で対応したと発表された。
最近、日本でも類似の反データセンター活動をしている人々も多く、またそうした論調を補強するかのように記事している経済紙もある。
8月14日日経新聞の「AI電力網は国民負担? 大手電力が「6000億円分」値上げ申請」という記事である。
日経新聞には「大量の計算をするAIサービス基盤となる大規模データセンターは多くの電力を消費する。電力供給網の整備コストは、最終的に家庭・企業に転嫁される。」と書かれているが、疑いたくなる内容である。
日本の一般送配電事業者(電力会社)が国に提出した託送料金の収入見通し変更申請を基にしたものであるが、記事ではその料金値上げをデータセンターのせいと印象づけようとしている。値上げの主因として挙げられているのは物価上昇、労務費、金利上昇などであるのにだ。
そもそも電気代は生成AIサービスを使う人も使わない人も同じく使用した量に応じて負担するものである。記事全文を載せることはできないが、当該記事を読んだうえで、おかしな点を整理してみた。
〇データセンターの接続費用を全部国民が払うわけではない
大規模需要家が新たに接続する際には、データセンター側にもちろん「工事費負担金」が請求されます。東京電力の特別高圧向け約款でも、送配電会社から請求された工事費負担金などを受け取る仕組みになっている。
〇データセンター自身も巨額の託送料金を払う
データセンターは一般家庭とは比較にならないほど大きな契約電力と電力量を持つため、当然、データセンター自身も多額の託送料金を負担する。
〇「家庭への転嫁」は自動的ではない
送配電会社が自由に設備費を電気料金へ上乗せできるわけではない。
現在はレベニューキャップ制度の下で、必要な収入や投資計画について国の審査・承認を受け、それに基づいて託送料金が決まる
〇政府もすでに原因者負担の拡大を検討している
政府答弁でも、大規模需要向けの系統増強費の一部を託送料金で回収していることは認めている。一方で、地域の負担増を抑えるため、現在は託送料金で回収している費用の一部を、データセンターなどに負担させる「特定負担」に変更する議論も進められている。
上記は少し調べればわかる内容である。日経新聞記者の劣化は著しいと感じさせられてしまうが、中国の影響を受けていたならば仕方ない。
再度取り扱うが、アメリカで見られた中国による反データセンターの論調は「AIデータセンターが家庭用電気料金を押し上げ、電力網に負荷をかけている」である。日経新聞の主張と似通っている。
日経新聞の中にも様々な考え方があるのは良いが、それが外国からの影響ではないことを願いたいものである。
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