
【沖縄タイムスの「ヤジ報道」に疑問】安倍氏には「表現の自由」、玉城デニー氏には「選挙妨害」か
沖縄県知事選をめぐる沖縄タイムスの「ヤジ」報道に、ダブルスタンダードではないかとの疑問が浮上している。
沖縄タイムスは8月31日、玉城デニー氏の街頭演説中に「人殺し」などの暴言が飛び、候補者に近づいて大声を上げる行為が相次いだとして報じた。玉城氏の選挙母体は、こうした行為を「表現の自由を超えた直接的な妨害」と位置づけ、県警に安全確保を申し入れた。沖縄タイムスも記事の見出しで「選挙妨害」という表現を前面に出した。
問題は、ヤジそのものの是非だけではない。同じ沖縄タイムスが過去に安倍晋三元総理へのヤジをどう扱ってきたかという点にある。
2019年の参院選で、札幌駅前の安倍氏の演説中に「安倍辞めろ」「増税反対」などのヤジが飛び、北海道警が市民を排除した際、沖縄タイムスは「首相演説にヤジの市民排除」「市民の人権を警察が侵害」と報じた。ここではヤジを飛ばした側を「市民」とし、問題の中心を警察による排除と位置づけていた。
さらに安倍氏に対しては、沖縄の追悼式や秋葉原での演説などで「戦争屋」「売国奴」「お前がやったんだろ」など、政策批判の範囲を超えた人格攻撃とも受け取れるヤジが実際に存在した。それにもかかわらず、今回の玉城氏へのヤジと同じ強度で「選挙妨害」と問題視してきたわけではない。
もちろん、今回の「人殺し」という発言や候補者への接近、演説を妨げる行為まで無条件に「表現の自由」とする必要はない。演説を成立させる権利と、批判の声を上げる自由の双方を守る必要がある。
しかし、同じ「ヤジ」という現象について、安倍氏のときは「表現の自由」、玉城氏のときは「選挙妨害」と扱いが変わるのであれば、読者から「二重基準」と指摘されても仕方がない。
メディアが守るべきなのは特定の候補者ではなく、一貫した報道基準である。「誰の演説か」によって言葉のラベルまで変わるのであれば、それは報道姿勢そのものが問われる問題である。
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