
中国に忖度しない外務省へ? 旧敵国条項めぐり「中国も賛成したでしょう」…高市政権で対中外交に変化か
中国が、国連憲章に残るいわゆる「旧敵国条項」について、現在も意味を持つかのような立場を発信している。これに対し、外務省が9月24日、かなり踏み込んだ反論を発信した。
外務省が指摘したのは、何よりも中国自身の過去の対応である。
中国は、死文化している国連憲章のいわゆる「旧敵国条項」が未だ有効であるかのように、同条項に関する彼らの立場について再び発信を行いました。このような発信は、国連で既に採択され、中国も採択を支持した関連の決議と相容れないものです。…
— 外務省 (@MofaJapan_jp) September 24, 2026
1995年の国連総会決議50/52では、国連憲章第53条、77条、107条にある「敵国」条項について、時代の大きな変化を踏まえて「時代遅れ」と認識し、削除に向けた手続きを開始する意向が示された。この決議は155か国の賛成、反対ゼロ、棄権3で採択されている。
さらに2005年の「世界首脳会合成果文書」でも、加盟国首脳は「敵国」への言及を削除する決意を示している。
つまり日本側からすれば、「旧敵国条項は重要だ」と主張するのであれば、まず中国自身が過去に支持した国連決議との整合性を説明する必要があるという話である。
今回の外務省の発信で印象的なのは、まさにこの点を正面から突いたことだ。「中国も賛成したでしょう」と言わんばかりに、相手国自身の過去の行動を根拠に反論しているのである。
もちろん、旧敵国条項そのものは現在も国連憲章の条文から削除されたわけではない。削除には憲章改正の手続きが必要であり、1995年や2005年の決議だけで条文そのものが消滅したわけではない。
だからこそ、日本政府が「死文化している」とする国際的な認識と、条文が残っているという事実を分けて説明しながら、中国に対しても「自分たちが支持した決定を尊重すべきだ」と迫ることには意味がある。
これまでの日本外交に対して「中国に強く言えない」という印象を持つ人も少なくなかったかもしれない。しかし今回の発信は、少なくとも従来よりも明確に日本の立場を主張する姿勢として映る。
外交とは、何でも相手に合わせることではない。主張すべきことは主張し、相手にも国際的なルールや過去の合意を守るよう求める。高市政権で、そんな「言うべきは言う」対等な外交が本格化するのか。今回の外務省の発信は、その変化を感じさせるものとなった。
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