
国連憲章には今も「中華民国」「ソ連」と記載? 旧敵国条項をめぐりネットで注目集まる
中国による「旧敵国条項」をめぐる発信をきっかけに、ネット上では「ロシアと中国は正確に言えば常任理事国ではないのでは?」などという声も浮上している。
実際、国連憲章第23条を確認すると、常任理事国として記載されているのは「中華民国、フランス、ソビエト社会主義共和国連邦、英国、米国」である。1945年の国連創設時の国名が、現在の憲章本文にも残っているのだ。
では、なぜ現在は中華人民共和国とロシアが常任理事国なのか。
中国については、1971年の国連総会決議2758が大きな転換点となった。同決議によって、中華人民共和国政府の代表が中国の国連における唯一の合法的代表とされ、中華人民共和国が5つの常任理事国の一つであることも確認された。
ロシアについても、1991年12月、エリツィン大統領が国連事務総長に対し、ソ連の国連加盟国としての地位や安保理での地位をロシア連邦が継続すると通知した。その後、国連はロシアを常任理事国として扱っている。
つまり、「憲章に昔の国名が残っているから、中国とロシアは常任理事国ではない」という単純な話ではない。実際、現在の国連安保理も中国とロシアを常任理事国として明記している。
しかし、ここから興味深い問題が浮かび上がる。
中国が、70年以上前から残る国連憲章の条文を根拠に「旧敵国条項はまだ存在する」と主張するのであれば、同じく1945年の憲章に残る古い国名については、なぜその後の国連決議や国際社会の合意を踏まえて現在の制度を理解するのか。
もちろん、旧敵国条項と常任理事国の地位は法的性質が異なるため、単純に同一視することはできない。だからこそ重要なのは、個々の条文だけを切り取るのではなく、その後の決議や国際社会の運用まで含めて考えることではないか。
都合のいいときだけ70年以上前の条文を持ち出すのではなく、その後の国連決議や国際社会の合意まで含めて考えるべきではないか。
旧敵国条項をめぐる議論は、まさに国連憲章に残る「戦後の文言」と、現在の国際秩序との関係を改めて考える機会になっている。
💬 このニュースに関するXの反応・意見を見る
X(Twitter)でこの記事の投稿を見る(コメント・リポスト)

