
岩屋毅氏「原因を作ったのはこちら」→中国側の主張をそのまま日本政府に? まるで“中国の代弁者”のような発言に違和感
中国を訪問した岩屋毅前外相の発言が注目されている。岩屋氏は民間経済団体の会長として9月末に北京を訪れ、王毅外相や何立峰副首相と会談。その後のロイターの取材に対し、中国側が高市早苗首相総理に「極めて厳しい姿勢」を示していたことを明らかにした。
さらに岩屋氏は、台湾有事をめぐる高市総理の国会答弁について、中国側の「不信感は相当に強い」と説明。そして日中関係について「中国側が対話の窓口を閉ざしていることもあるが、こちら(日本)からのアプローチも十分ではない」としたうえで、「原因を作ったのはこちらなのだから、こちらから積極的に動くべきだろう」と政府に注文を付けた。
ここで気になるのは、岩屋氏の発言があまりにも中国側の主張を日本国内に伝える形になっていることである。
もちろん、対話を維持し、中国との安定的な関係を構築すること自体を否定する必要はない。実際、岩屋氏は訪中時にレアアースの対日輸出管理について改善を要請しており、中国側に要求を伝える役割も果たしている。
しかし、中国側が高市政権への不信感を示したことを繰り返し紹介し、「原因を作ったのはこちら」と日本側の責任を強調するのであれば、まるで中国側の主張を日本政府に伝える「代弁者」のようにも映ってしまう。
一方、高市総理は10月1日のインタビューで、日中関係について「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築する方針は一貫していると説明している。各レベルでの対話も続いているとして、国益の観点から冷静に対応する姿勢を示した。
日中関係を安定させるための対話は重要である。しかし、それは日本だけが一方的に譲歩することとは違うはずだ。中国側の主張を紹介するだけでなく、日本側が何を求め、何を譲れないのかを明確にすることも外交では重要である。
岩屋氏の今回の発言は、日中外交において「対話」と「相手の主張を受け入れること」は同じなのかという疑問を投げかけている。
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