
産経が社説で「東大がおかしい」 総長選で大差を逆転、文科相も説明要求 約800億円の公的資金を受ける東大、国民が納得できる説明を
「東大がおかしい これでは国民が納得せぬ」……。
産経新聞が10月5日付の社説で、東京大学の次期総長選考を正面から問題視した。
今回の総長選考で注目されたのは、教職員による意向投票と最終的な選考結果の大きな食い違いである。9月28日の第2回意向投票では、染谷隆夫氏が1107票を獲得し、過半数を得た。一方、藤垣裕子氏は553票で2位だった。染谷氏は藤垣氏のほぼ2倍の票を得ている。それにもかかわらず、総長選考・監察会議は藤垣氏を次期総長予定者に選出した。
もちろん、東大の制度では意向投票の最多得票者が自動的に総長となるわけではない。候補者の資料や面接、所信表明、意向投票などを総合的に判断し、総長選考・監察会議が決定する仕組みである。したがって、藤垣氏が選ばれたこと自体を制度上の問題と断定することはできない。
だからこそ問われるのが、選考理由の説明である。
東大は「総合的に考慮した」と説明しているが、1107票対553票という大差を覆してまで藤垣氏を選んだのであれば、なぜその判断に至ったのか、国民にも理解できる具体的な説明が必要ではないか。実際、国立大学法人法でも、学長選考については「選考した理由」と「選考の過程」を公表することが定められている。
そして、ここで関芳弘文科相が「なぜそのような判断をしたのか、しっかり説明する必要がある」と述べた意味も大きい。
文科相は「総長選をやり直せ」と言っているわけではない。大学の自治に介入して選考結果を変更しようとしているわけでもない。公的資金を受ける国立大学法人として、なぜこの選考結果になったのか説明を求めているのである。
東京大学には令和7年度だけでも約790億円の運営費交付金が計上されている。
これだけの公的資金が投入されている以上、大学の自治と説明責任は別問題である。産経が「東大がおかしい」と問題提起した今回の社説は、まさに「誰が総長になるか」だけではなく、「なぜその人物を選んだのかを国民に説明できるのか」という問題を突きつけているのである。
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