
【岩屋氏の発言を中国政府が利用】「日本に原因がある」との発言に、毛寧報道官「良識ある日本人の声」「責任はすべて日本にある」
中国政府が、岩屋毅元外相の発言を自国の対日批判に結びつける動きを見せた。
中国外交部の毛寧報道官は10月12日の定例記者会見で、岩屋氏の発言について問われ、日本側にも日中関係悪化の原因があるとする見解を取り上げたうえで、日本国内の有識者による「理性と良心」を示す発言として評価した。さらに、日中関係悪化の責任は日本側にあるとの主張を展開した。
つまり、中国政府は岩屋氏の発言を、自国の主張を補強する材料として利用したのである。
もちろん、岩屋氏がどのような意図で発言したのかという問題と、中国政府がそれをどう利用したのかという問題は分けて考える必要がある。日本側にも改善すべき点があると指摘することが、直ちに中国側の主張を全面的に認めることを意味するわけではない。
しかし、外交においては、発言者の意図とは別に、相手国が発言の一部を取り上げ、自国に都合のよい文脈で発信することがある。今回も、中国政府は岩屋氏の発言を評価し、日本側に責任があるという自らの主張に結びつけた。
岩屋氏は対話を通じた日中関係の改善を重視しているのかもしれない。だが、対話を進めることと、相手国の主張を補強する材料を与えることは同じではない。外交上の発言が相手国にどのように受け止められ、利用されるのかまで考える必要がある。
中国政府が岩屋氏の発言を歓迎したという事実は、発言の政治的影響を考えるうえで見過ごせない。重要なのは、岩屋氏の発言を感情的に批判することではなく、中国側が何を引用し、どのような主張につなげたのかを冷静に検証することである。
対話を掲げるのであれば、その発言が日本の国益や外交上の立場にどのような影響を及ぼすのか。岩屋氏には、その点についても説明が求められるのではないだろうか。
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