
フェイクに注意『ロシアのヤンデックス爆撃後に影響工作が低減した。』は嘘だった。
2026年10月8〜11日、ウクライナがロシアのIT大手ヤンデックスのデータセンター3カ所(Sasovo、Kaluga、Vladimir)をドローン攻撃し、サービスに大きな支障が出ました。
その後からXを中心に影響工作とされる論調が激減したなどとする言説が拡まりました。実際にはまったくそのような事実はなかったのに、なぜそのような言説が拡がったのでしょうか?出来事を整理していこうと思います。
①ウェブクローラーのbotとSNSのbotを勘違いした。
Cloudflare Radarのデータで、ヤンデックスネットワークからの自動トラフィックがピーク比でほぼ0.4%程度まで激減したことが確認されました。そしてそのグラフなどが拡散された結果、実際の減少は主にヤンデックス自身の検索クローラーであるYandexBotによるウェブインデックス用トラフィックの話だったのですが、ソーシャルメディア上のプロパガンダ用botやトロールbotと勘違いされて誤解が拡がってしまいました。
そして、このデータを勘違いしたままさまざまなユーザーが主観的判断で「ロシアのソーシャルメディアボットが止まった」と拡大解釈し、SNSで爆発的にその認識が広がり、さらには「AfD(ドイツの極右政党)関連の活動が急減した」「MAGA支持アカウントが静まった」「TRUMPの投稿が止まった」などの具体的な話が展開されました。
②AfDについて、AI生成の偽グラフが拡散された。
さらに誤解を加速させたのが、Threads上で投稿されたAfDの投稿が激減したと示すグラフでした。AI生成されてると表記され出典もないものでしたが、多くのインフルエンサーに取り上げられ、拡散され、あたかも本当にグラフの通りAfDの投稿が減衰したかのように信じられていきました。
しかしその後、関係する政府機関や専門家等がそのようなことはないと否定されました。
もちろん、TRUMPの投稿についても特にヤンデックスとの因果関係はありませんでした。
こうしたフェイクが広まった要因は、敵対するクラスタの言説が伸びているのはロシアによる介入のせいだという、自分にとって都合の良い情報は疑わないという人の性質にハマった内容だったからではと思われます。
日本でもヤンデックスの騒動が起こった直後から『高市応援団の投稿が少なくなった。』『参政党関連の投稿が少なくなった。』などとする話題が一定規模起こりました。
この話題はまことしやかに日本でも定着しつつありましたがしかし、定量的観察の結果では全く数値に有意な変化は起こってませんでした。
多少日本での政治関連の話題が少なくなったりはしたものの、日本では三連休が重なった影響くらいのことでしかありませんでした。
また、ヤンデックスの騒動期間中にX上で稼働していたbotが一定量バンされたことも影響した可能性があります。botのバン事態はヤンデックスと全く関係なく、Xがサービスアップデートする中で行ったことのようです。
今回の騒動は海外発のフェイク情報が日本国内にまで響き渡った珍しい事例となりました。
世界的なフェイクとなった原因は、ロシアが常に影響工作を激しく行っているという認識の世界的下地があったからこそとおもいます。
いくら自分にとって都合の良い情報だとしても、鵜呑みにせず情報ソースを確認し、観測してから話題を評価しましょう。
また、ロシアへの過大な評価はこうした新しいフェイクを起こし、不必要な混乱を誘発することにも繋がります。正しく相手を警戒するようは日頃から気を付けていこうと思います。
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