
GMO騒動で異例のサイトブロッキング要請。通信の秘密は守られるのか??
GMO騒動で、攻撃者が個人情報を公開するサイトを開設した事案が発生しました。
総務省は二次被害防止を理由にブロッキングを要請しました。ブロッキングとは、指定したサイトへの強制的なアクセス排除です。
ISP(インターネット接続事業者)が特定のウェブサイトへのアクセスを強制的に遮断することになります。ブロッキングを行うためには、URLとIPアドレスを対応させるDNS(ドメインネームサーバー)で、特定のサイトアクセスをしようとしてる通信があるかを確認し対処するということになります。
すべての通信の宛先を確認する行為を伴うわけです。ユーザー同意に基づくフィルタリングとは異なり、同意なしに強制的に遮断を実施されるうえに、強制的に個人の通信内容を確認されてしまうわけです。
要するに、憲法第21条2項が保障する「通信の秘密」および電気通信事業法第4条に形式的に抵触するということです。
通信の秘密を侵害することは原則として違法とされます。過去の事例として児童ポルノについては被害の深刻さから緊急避難が認められると整理され、2011年から民間主導で一部実施されています。
しかし、2018年の海賊版サイト「漫画村」では政府が自主的実施を促しましたが、著作権という財産権の保護では通信の秘密制限を正当化しにくいとされ実施は限定的なものとされました。
今回のGMO事案は個人情報の二次被害防止を理由とするが、児童ポルノほどの確立した法的整理はなく、通信事業者側も「実施判断は難しい」との姿勢を示していると報じられています。
結果的に攻撃者サイトは別の手段で表示不可の状況となっています。
ブロッキングは有効なアクセス抑止策の一つですが、通信の秘密という憲法上の権利とバッティングしてしまい、緊急時に対応させずらい問題点があります。様々なリスクに備え、法的整理を進めておく必要があるでしょう。
また、今回の件でブロッキングが必要となってしまった要因にはGMO側の稚拙な初期対応にあります。
初動で攻撃者からの要求には応じないと公開宣言してしまったことで、交渉ルートを消し、「永久に応じない」とした上で懸賞金まで出しました。これで犯人に残ったのは、情報を公開して見せしめにする動機だけとなりました。
通常のリスク対処であれば、発生時にまず関係機関へ通報し、内部対処の方針は決めつつも交渉を継続することで二次被害が出ることを遅らせます。
会社として公然と戦う姿勢を示すナルシスト的な行動は、顧客のことを一切守ろうともしない態度でしかなく、リスク対処で何を守ろうとしているのか?と疑問しか残りません。
泥水を啜っても顧客を守る姿勢を見せていれば、サイトブロッキングだなんだという異例の騒動には発展しなかったと思います。
しかし、この機を捉えてスパイ活動すらも守ってしまっている通信の秘密についても、サイトブロッキングの法整備と合わせて進めていくと良いのではないかと思います。
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