都知事選について「それどころでは」と口先では答えた小池百合子氏。実際は「それ目当て」でしか動いていない。
東京都知事選の告示まで一か月を切った。しかし、主要候補は誰一人として立候補表明をしていない。
現東京都知事の小池氏も立候補を表明していない人の一人だ。しかし、新型コロナウイルス対策をことごとくパフォーマンスにしている小池氏が出ないわけがない。
記者会見で問われた都知事選への出馬の可否
都知事選が迫る中、小池氏の定例記者会見で、出馬の意志が問われた。しかし、小池氏は白々しい反応を示した。
東京都の小池百合子知事は15日の定例会見で、再選出馬が確実視される東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)での対応を問われて「久しぶりにそういう質問を聞いたが、それどころではありません」と、反応した。
その上で「コロナウイルス対策をしっかりすること。それに尽きる」と述べるにとどめ、明言を避けた。
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散々、都知事選に向けたパフォーマンスをしておきながら、「それどころではない」とよく言えたものだ。
実際、小池氏は、着々と都知事選に向けた準備をしている。先日は、自民党の二階幹事長に会っていたことが、その証左だ。
「日本経済の要をどうやって維持、発展させるのかという大目的と手段との整合性をつけてほしい」
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小池氏は14日、自民党の二階俊博幹事長との面会後、記者団にこう強調した。小池氏は、二階氏に先立ち、岸田文雄政調会長とも面会。13日には公明党本部で山口那津男代表とも会い、意見を交わした。
自公幹部への訪問は、表向きは新型コロナ対応のための地方創生臨時交付金の東京など大都市への重点配分や家賃支援拡充の要望としているが、都知事選への協力要請を意識した行動ともみられる。
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二階幹事長、岸田政調会長に会っておきながら、都知事選について「それどころではない」わけがない。
小池氏は、新型コロナウイルス対策を終始、都知事選に向けて利用してきた。
都知事選挙>新型コロナウイルスの小池氏
小池氏の選挙目当てのパフォーマンスは枚挙に暇がないが、最たるものは、都民の税金が使われたCMだ。
そのCMについては、都民ファーストの会の初期メンバーの一人でもあった都議が苦言を呈している。
4月7日の緊急事態宣言以降、テレビや街角で「東京都知事の小池百合子です」で始まるCMが頻繁に流れた。都民ファーストの会の初期メンバー3人の一人で、その後、小池氏の政治姿勢に違和感を覚え離党した上田令子都議がこの現象についてこう語る。
「テレビCM、YouTube動画、都バスや地下鉄の広告などあらゆる場所で小池さんの名前と顔が目に入りました。7月5日投開票の都知事選間近だというのに、まるで公費を使った選挙運動と都民に誤解されても当然です」
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小池氏は、新型コロナウイルスに関する初期の会見の頃から、自身の虚像を築き上げることに必死だった。
この小池氏の「選挙的活動」については、都知事選の対立候補として名前が挙がったれいわ新選組代表の山本太郎氏をもってして「小池氏の圧勝」と言わしめるほどだ。(参考)
小池氏の新型コロナウイルス対応には、終始一貫していることが2点だけある。1つは後手後手の対応、もう1つは都知事選への利用だ。
実際、自身のアピールには懸命であるが、新型コロナウイルス対策として具体的な成果を上げているものは皆無に等しい。
小池氏に、今後4年間の都政を任せていいのか。これまでの小池都政の実績を見れば、その答えは自ずと明らかになる。いかんせん小池氏が前回の都知事選で掲げた公約のほとんどが未達成なのだ。
このような人物に、今後4年間の都政のかじ取りを任せることはギャンブルでしかない。