文在寅大統領が「不都合な歴史」の抹消。歴史の歪曲に突き進む文政権。
日本と韓国の関係は、一人の大統領の誕生によって史上最悪なものになった。その大統領は現職の文在寅大統領だ。
文大統領になって以来、日韓合意の不履行をはじめ、韓国大法院徴用工判決など、日韓関係を破壊する事態が相次いでいる。悪くなるというレベルではない。はっきり言って破壊されてしまったとも言えよう。
そんな文大統領の政治姿勢を、垣間見れるものがある。それが「歴史」だ。
いつまでも繰り返される「歴史」
日韓関係は、韓国の時の政権が代わる度に、「歴史問題」に直面してきた。慰安婦問題の最終的な解決とされた日韓合意ですら、文大統領の前では無意味だった。
徴用工問題に関連し、日韓合意について、文大統領は、次のような発言をした。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、与野党5党の代表との会合で、徴用工問題の解決策について「2015年に韓日の間で締結された慰安婦合意のような誤った合意をしてはならない」と述べました。
文大統領は、「合意には2つの前提条件がある。1つ目は被害者が受け入れたかどうかで、2つ目は国民的同意である」とし、「これらが欠けた外交交渉は、むしろやらない方が良かったという結果につながる」と強調しました。
(略)
日本と韓国の慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した合意を、文大統領は「誤った合意」と切り捨てたのだ。
国家間の約束である合意を、いとも簡単に放棄する文大統領の政治姿勢は、国際社会から到底受け入れられるものではない。
さらにだ。文大統領は、日韓基本条約・日韓請求権協定が契機となった経済復興すら、歴史から抹消した。
文大統領、戦後日韓関係の出発点となった出来事を抹消
1965年、日本と韓国は、日韓基本条約、そして日韓請求権協定を締結し、戦後の歩みを共に開始した。
その歩みの中で、日本は5憶ドルにも及ぶ経済支援を、韓国に対して実施した。その日本の経済支援を契機に、韓国は経済復興を遂げた。
この俗に言う「漢江の奇跡」を、文大統領は教科書から削除したのだ。
「朝鮮日報」日本語版(2019年4月25日付)の記事〈韓国小学校教科書から消えた「漢江の奇跡」〉によると、今年3月に小学校で使用され始めた社会科教科書から、その記述が削除されたというのだ。改訂前の教科書には、「この期間(産業化の期間)に経済が急速に成長した韓国は、世界の多くの国から漢江の奇跡を成し遂げた国と言われた」と書かれていたが、そっくり消えているという。
韓国の小学校は全教科で「国定教科書」が使われている。つまり、韓国中の小学生が今後、社会科の授業で「漢江の奇跡」という言葉を学ばないことになる。
(略)
日本からのあった経済支援を、韓国国民の記憶から消し去ろうとしている文大統領。日本からの経済支援が、文大統領の考える「歴史」において不都合とでも言うのか。もちろん不幸な事実もある。ただ、今はすでに新しい世代になっている。良い関係も構築し始められていた。それを全てぶち壊したのだ、この文大統領だ。
日本が行った経済支援が契機だった「漢江の奇跡」を削除する一方で、追加した項目がある。
(略)
消された項目がある一方で、追加された項目もある。朴槿恵大統領を辞任に追い込み、みずからが政権を奪う原動力になった「キャンドル集会」(いわゆるローソクデモ)である。しかし、小学生には、「デモ」よりも先に教えるべきことはたくさんあるのではないか。
自身が政権を奪取する端緒をしっかりと教科書に掲載する文大統領。
都合の良いことのみを、「歴史」として掲載する文大統領の政治姿勢では、いつまで経っても日韓関係は悪化したままだ。すでに修復不可能な状況と言っても良いだろう。今日本での嫌韓感情はマックスになってしまった。非常に残念なことだ。
文大統領の指名する者が、文大統領の後継の大統領にならないことを希望せずにはいられない。
そして韓国国民には、民族の関係や隣国との関係をもう一度冷静に考え直してほしい。