文在寅大統領の日本への強硬姿勢の理由。それは、めっきりダメな経済政策にあり!
韓国・文在寅大統領は、日本に対する強硬姿勢を弱める気配を見せていない。文大統領が左派の大統領ということを加味してみても、その日本に対する強硬姿勢は、歴代の左派の大統領を凌駕する。
日本と韓国の間の慰安婦合意を反故にし、日韓請求権協定で解決済みの徴用工問題さえも、日韓関係の争点にしようとしている。
このような日本に対する強硬姿勢の背景には、文大統領の経済政策の失敗がある。つまり、自らの内政における失策を、日本に対する強硬姿勢で覆い隠そうとしているのだ。
文在寅大統領の失策:格差拡大
文大統領は、朴槿恵前大統領が弾劾制度によって失脚したことによって大統領選に出馬し、大統領の座を手中に収めた。
その文大統領が出馬した大統領選で、文大統領は、社会的・経済的公正を公約に掲げていた。格差に苦しんでいた人たちは、文大統領の誕生を祝福していたに違いない。
しかし、文大統領が行ってきたことは、大統領選の時の社会的・経済的公正とは違い、逆に格差を拡大させてしまった。
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文在寅氏は、社会的・経済的公正を公約に掲げ、2017年に大統領の座に就いた。だが、5年の任期も半ばになろうというのに、格差拡大という重荷を背負わされた韓国の若者に対して、ほとんど成果を示せないままだ。
文政権になって以来、逆に所得格差は拡大している。公式統計によれば、最上位層と最下位層の所得格差は、文大統領就任前の4.9倍から5.5倍に上昇した。
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この文大統領の失政を反映し、2019年末の調査ではあるが、若年層の文大統領の支持率は低下している。(参考)
文大統領の失策はこれだけではない。賃金・雇用対策でも明らかに失敗している。
文大統領の衝撃の賃金・雇用対策
文大統領は、最低賃金の引上げによって、経済の好循環を生もうとした。しかし、冷静に考えてみればわかることだが、賃金を負担するのは企業だ。つまり企業の財務体力がなければ、文大統領の策は、良い結果を生むことは難しい代物。
そして結果は、すぐに出た。
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最低賃金は3年通算すると、32%上昇した。それにより、懐(ふところ)が豊かになった国民が消費を増大させ、好景気が持続し、政府は税収が増える-そういう夢想の政策だ。
現実は、中堅・中小零細企業が人件費負担に耐え切れず、人減らしに踏み切った。超強力労組がある大手企業や公営企業の社員、あるいは公務員は人減らしされることもなく、最低賃金引き上げに伴う底上げ効果を享受している。結果として貧富の格差が拡大した。
政権は姑息な手を使う。不要な準公務員を増やした。人民共和国型の新職種の開発だ。大学構内を巡回して、講義をしていない教室の照明を消す「電気管理士」は、その典型といえる。
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大企業ならいざ知らず、中小・零細企業が、人件費の急激な上昇に耐えれるわけがない。
人件費に苦慮した企業は、人数を減らすしかない。ここで文大統領の最低賃金の引上げは、頓挫することになった。
そして、文大統領のある意味すごいところは、失業した人たち向けに新しい職種を設けた。政府が設けたのだから、身分は当然、公務員ということになる。
失業した人達向けに、新しい職種を設け、失業率の誤魔化しを行った文大統領。
やっていることが、資本主義の国ではない。
文大統領の経済政策を見てみると、結果は失敗に次ぐ失敗だった。
失敗続きの経済政策を覆い隠し、求心力を維持するために使われているのが、日本だ。
日本に対して強硬姿勢を見せることによって文大統領は、政権の安定を図っているのだ。
このような文大統領は、日韓関係にとって百害あって一利なしだ。是非とも日本政府には、文大統領に対して、強硬な姿勢で挑んでもらいたい。