【漁業】サクラエビ漁「乗り子」大量退職へ 船主「漁存続の危機」 待遇改善求め嘆願書 見えぬ組合側対応
不漁が続く静岡県の駿河湾サクラエビ漁で、6月5日の春漁終了後、「乗り子」と呼ばれるサクラエビ漁船の乗組員が少なくとも50人以上辞める意向を固めたことが11日、関係者への取材で分かった。雇用している船主に慰留され、今後も乗船する意思を示した乗り子からも待遇改善を求める複数の嘆願書が、漁業者組織の県桜えび漁業組合や川勝平太知事宛てに提出されている。今後、辞める乗り子が増えれば、秋漁の操業に支障が出かねないとの見方も広がっている。
春漁の水揚げが漁史上最低の25トン余りにとどまったことで、サクラエビ漁師を辞め“下船”を決めた乗り子が増えた。「ここまで乗り子が一気にいなくなれば漁の存続にとって緊急事態だ」。由比地区(静岡市清水区)の船主は嘆く。関係者によると、サクラエビ漁師が所属する由比港漁協(同区)と大井川港漁協(焼津市)を合わせて50~80人の乗り子が辞める意思を持っているという。
「(サクラエビ漁は)拘束時間が長い割に薄給で、辞めた方が別の仕事に専念できる」。すでに春漁後に辞めた男性(41)は不満を吐露する。サクラエビ漁の乗り子は600人以上とされ、「雇用主」の船主と乗り子の雇用関係は曖昧で、給与明細をもらっていない乗り子もいる。
男性には共働きの妻、小学生と幼稚園の子がいる。春漁の収入は8万9370円。現在はシラス漁や自営業で生計を立てている。男性は組合の操業方針に疑問を呈する。春漁では2日にわたる自主禁漁区内での操業も判明。「資源状況が悪化している中、組合の判断が信用できなくなった」と漁の将来に不安を抱いたことも大きいという。
一方、用宗港(静岡市駿河区)と吉田港(吉田町)、相良港(牧之原市)でシラス漁を兼業する乗り子たちは処遇改善を訴える嘆願書をつくり、11日までに組合に提出した。船主と乗り子の水揚げ金配分の改定や、別のアルバイトを掛け持ちしている乗り子のために日々の出漁判断を速やかに伝えることなどを盛り込んだ。
実石正則組合長は「乗り子としっかりコミュニケーションを取り、協力したい」と述べるが、船主の収入減や組織硬直化から具体策につながっていない。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200712-00000001-at_s-l22.view-000
漁に出るか出ないかで収入が変わってくるなら
そこをきちんと伝えなくては
漁に出ても水揚げが無ければ、船主は船を出さないし
乗り子に給与を支払うこともできません。
かつては、1シーズンで数百万円も儲けが出る仕事でしたが
資源の枯渇による廃業や退職はやむを得ないのでは?
今まで、獲りすぎたから枯渇したんだろ。
獲る期間を決めるのではなく漁獲高の制限をする、出来れば暫く禁漁しないと、種の保存すら難しくなるのでは。
福島原発事故で漁業をしなかったら漁獲高が回復し、尖閣諸島で中国公船がちょっかい出して漁が出来なかったから魚が大きくなり、ノルウェーでは漁獲高の制限で大きな鯖が獲れるようになった。
日本も、期間ではなく漁獲高で制限をし、漁業資源の保全に務める時期に来たのでは?
稼げる仕事を見つけて家族を安心させてほしい。
一部の人間の都合だけで良否を決めない方が公正な報道ではないのかな?
需給バランスや資源保護を考えれば、ちゃんとした雇用関係も維持できない様な網元は、人も確保出来ないのも当然。