故・吉田博美参院幹事長(竹下派)の「しのぶ会」を開催するも、竹下派幹部から参加を拒否される!自粛要請も無視の石破元幹事長の強引なやり口に焦り漂う。
コロナ対策で政権批判にさらされる政府・与党を尻目に、総裁選への動きを嬉々として伝えるマスコミ。石破派所属議員が僅か19名という弱い党内基盤を補うため、二階俊博幹事長にみっともない擦り寄りを繰り返している。
二階幹事長の次は、竹下派にゴマすり!?
今後は竹下派に触手を伸ばそうと、竹下派参院議員の取りまとめ役だった故・吉田博美のお墓参り、そして吉田氏地元の長野県での「しのぶ会」への出席などとことを欠かさない。一体、政府の移動自粛なんて聞く様子など全くない。
自民党の石破茂元幹事長は8日、昨年10月に死去した吉田博美前参院幹事長の初盆に合わせ、吉田氏の地元の長野県で講演した。吉田氏は2018年の前回総裁選で石破氏「善戦」の原動力となった人物。故人に次期総裁選でのリベンジを誓った石破氏だが、課題の党内基盤の弱さは克服されず、周辺からは焦りの声も上がる。
故・吉田博美氏は長野県選出の竹下派の参議院議員だった。2018年総裁選では、額賀福志郎会長の去就を巡って衆院と参院で分裂状態だった竹下派は、衆院は安倍晋三、参院は石破茂を支援することに。参院竹下派を取りまとめていたのが吉田博美だったのだ。
石破氏の勝手な動きにドン引き!安倍総裁と仲が良好とも言えない竹下派議員さえ出席拒否。
石破氏は吉田氏への恩返しを口実に、故吉田博美支援者、あわよくば竹下派への支持拡大めざす筋書きで「しのぶ会」を開催したのだ。
自民党の石破茂元幹事長は8日、昨年10月に死去した吉田博美前参院幹事長の初盆に合わせて長野県入りした。吉田氏は2018年の総裁選で竹下派参院側を石破氏支持でまとめた恩人に当たり、7日には東京都内で墓参。8日は吉田氏のかつての支援者らを前に、故人との思い出や国造りへの決意を語り、次期総裁選に向けた竹下派との友好関係維持に期待をにじませた。
しかし、石破氏のこの動きはあっさり竹下派の目からは白々しい行動にしか見えなかったようだ。竹下派に所属議員の出席を求めたところ、あっさりと断られたというのだ。
石破氏の要請を断るには当たり前の理由がある。
竹下派は分裂したとは言え、衆院の茂木敏充外相や加藤勝信厚労相が閣内におり、自民党参議院会長のポストも同派の関口昌一議員が握っている。安倍総裁の出身派閥である清和会(細田派)と競い合う竹下派(平成研)であるが、安倍政権を背後から撃つことしかしない石破氏に軽々と同調することなど、何のメリットもないのだ。
石破氏は次期総裁選でも参院竹下派の支援に期待を寄せており、8日は吉田氏の県議時代の選挙区だった長野県下伊那郡喬木村で「しのぶ会」を開く。ただ、同派に所属議員の出席を求めたところ、「色が付く」(幹部)と断られた。報道各社の世論調査では1番人気とはいえ、首相ら政権中枢から「政敵」と見なされ、同僚議員に支持が広がらない厳しい立場を思い知らされた。
利を追わず、義理と筋を通した吉田博美は現代の大谷吉継!政界の小早川秀秋である石破氏の手向けに泉下でどう思っているだろうか?
吉田博美参院幹事長はそもそも安倍総理と個人的な関係も良好であった。実は吉田氏も山口県出身なのだが、それだけでなく、吉田氏は自民党参議院議員団を仕切る幹事長として、安保法案の成立に尽力し、安倍政権を支えた。時の防衛大臣への任命から逃げた石破氏とは大違いなのだ。
また、総裁選で吉田氏が石破支持に舵を切った話の裏側には、青木幹雄・元参院議員会長が蠢いている。
参院は鳥取県・島根県そして徳島県・高知県の合区が生まれ、そして2019年には衆院と同じように比例優遇である「特定枠」が参院でも取り入れられた。その1番の受益者は、青木幹雄の息子である青木一彦(島根県選出)なのである。
参院の選挙制度改革では、議員定数を6増やし、比例区に特定枠を設ける改正公職選挙法を先の通常国会で成立させた。これまでの定数減の流れとは逆行し、世の評判はすこぶる悪い。それでも成立にこだわったのは、青木が前回参院選から導入した合区に否定的だったからだ。青木の地元の島根は、鳥取に合区された。特定枠を設ければ、選挙区での公認に漏れた候補を比例で救済できる。
引用元 政界揺さぶる新旧「参院のドン」
話のカラクリはこうだ。6年ごとに改選される参院議員であるが、合区対象の議員は選挙区当選→(6年後)比例優遇当選→(12年後)選挙区で再選チャンレジ…が適用される。つまり、1回当選で事実上12年間も国会議員の身分が保障されるのだ。
青木氏は自分の息子可愛さにトンデモ選挙制度を推し進め、合区の鳥取県である石破氏は竹下派支持を欲しさに「特定枠」に賛成。2016年の参院選では、青木一彦議員を全力応援してたのだから、総裁選スローガンである「公正・正直・石破茂」が総スカンだったのだ。
2016年の参議院選で、青木幹雄氏の長男である一彦参議院議員が2選目を狙った。しかし島根選挙区は鳥取選挙区と合区になり、青木ブランドは鳥取県では通用しない。そこに“助け舟”を出したのが石破氏だった。鳥取県は「石破王国」とも言われている。
そこで参議院竹下派を取りまとめる吉田氏は、親分である青木氏と、味方したい安倍総理の間で難しい立場になるが、ここはキッパリと派閥政治の筋として青木氏の支持とおり参議院竹下派を石破支持で固めた。まさに旧友の石田三成か、味方すべき徳川家康かで悩むも、最後まで西軍で義を通した大谷吉継なのだ。
9月の党総裁選。七つの派閥のうち五つが首相、安倍晋三の総裁3選を支持し、安倍の勝利は確実視される。それでも竹下派は事実上の自主投票の道を選んだ。衆院竹下派では安倍を推す声が多かったにもかかわらず、吉田は青木の意思を尊重し、元幹事長の石破茂を支援する。「青木を裏切ったら一生人を裏切る人と見られてしまう」と吉田。意向を受けた大半の参院竹下派が石破につく。
ジレンマを抱えるのは吉田だ。野党自民党時代に培った安倍との関係は良好で、携帯電話で連絡を取り合う仲だ。12年の政権奪還後、安倍が初めて公邸に招いた政治家は吉田だった。参院自民党の運営はもっぱら吉田に任せている。青木の振る舞いには不快感を示す一方、吉田の義理立てには理解を示す。
吉田もそれに応える。8月8日の党役員会では、わざわざ安倍の目の前で、安倍と電話で話したことを明らかにし、報復人事をちらつかせる安倍周辺を牽制した。安倍はそれに応じる形で「総裁選が終わったら挙党一致態勢が大事だ」と、総裁選後の連携を確認してみせた。
引用元 政界揺さぶる新旧「参院のドン」
ここで忘れてはならない事実は、故・吉田氏にとって、石破茂支持は派閥政治の成り行きであり、政治家として親分である青木氏に従うという義理を立てた結果論なのである。決して、石破氏との特別な関係があったわけではない。
だからこそ、今回の石破派総出の「墓参り」であり「しのぶ会」に対して、竹下派議員はドン引きなのである。誰の目からしても、故・吉田氏の供養を名目にした人心を買う行為でしかないのだ。
かつての派閥批判はどこ吹く風!?自分可愛さに、今や派閥の首領詣でを欠かさない。
かつて石破氏は自民党の派閥政治を批判し、自分の政治力としてきた。その経歴こそが、自民党離党からの復党、そして無派閥連絡会という名称グループから石破派への看板のすげ替えなのだ。
そして今、二階派、竹下派など派閥への擦り寄りが止まらない。一体、石破氏が筋を通した政治家の姿を見せてくれるのは、無理な話なのであろうか。
故人まで利用した総裁選とは一体何なのか、理解に苦しむ。心中を察する事務所関係者や遺族は、本心では石破氏の「手向け(たむけ)」をどう思うだろうか?