欧州でも対中国包囲網が着々と形成中!!次期総理には、安倍総理に匹敵する外交におけるリーダーシップが求められる!!少なくとも安倍総理を外交特使として活用できる器が必要!
中国に対しての視線がヨーロッパでも厳しいものになりつつある。中国はアジアでは、南シナ海、東シナ海、インドとの国境紛争を抱え、香港問題、ウイグル問題では、全世界から厳しい視線を送られている。
中国は、そうした状況を打開し、新型コロナウイルス後の世界で主導権を握ろうと外交を再開させた。しかし、ヨーロッパでは、中国外交の本質の「恫喝」が表面化し、上手く事が運んでいない。
チェコ代表団の訪台に中国が激怒!!
チェコと中国の火種になったのが、台湾の存在だ。中国は台湾を「中国の一部」と見做しており、武力による統一をちらつかせることも多々ある。
台湾をチェコの上院議長率いる代表団が訪問したことに中国は怒り心頭のようだ。
チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長ら代表団89人が30日、台湾に到着した。台湾とは国交はないが、公式訪問を通じ、関係強化を図る。中国は、中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を主張しており、今回の訪問は主張に反する「卑劣な行為」だとして激しく非難した。
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チェコ上院は5月、今回の台湾への訪問支持を圧倒的多数で決めた。代表団は首都プラハ出発を前に「今回の台湾訪問はチェコのバツラフ・ハベル元大統領の精神を示すことだ」と強調した。
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チェコの訪台団に対して、激昂しているのは、当然ながら中国だけだ。8月にチェコを訪問したアメリカのポンペオ国務長官は、チェコの上院で演説した際に、チェコ代表団による訪台を強く支持していた。(参考)
チェコ代表団の訪台に激昂した中国は、ヨーロッパで支持を取り付けようとした。しかし、その結果は無残なものだった。
本音が出た!?中国外相のヨーロッパ訪問!
中国の王毅外相は、8月25日から9月1日にかけてヨーロッパ5か国を訪問した。その際に、チェコの訪台に怒り心頭だったようで、恫喝まがいの発言を思わずしてしまい、中国外交の本質を露呈することになってしまった。
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8月25日~9月1日にイタリア、オランダ、ノルウェー、フランス、ドイツを訪問した王氏は、同時期にスタートしたビストルチル氏の訪台に対して「高い代償を支払わせる」と恫喝した。ドイツのマース外相との共同会見でもビストルチル氏が台湾で演説したことについて「一線を越えた」と警告し、報復措置を示唆した。
一方、マース氏は会見で「脅迫はふさわしくない」と王氏を直接批判し、欧州の中でも比較的関係が良好なドイツとの蜜月演出は事実上失敗した。また香港メディアによると、王氏が訪問した5カ国のうちドイツを含む4カ国が香港問題について公式に懸念を表明した。
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ドイツのマース外相に「脅迫はふさわしくない」と言われてしまった中国の王毅外相。外相会談の場で自業自得とはいえ、異例の直接の批判をうけた。
そして、ヨーロッパを訪問し、新型コロナウイルス後の世界の主導権を握ろうとした中国だったが、香港問題で釘を刺された。中国の当初の目論見は、脆くも崩れ去ったのだ。
日増しに中国に送られる各国の視線は厳しさを増している。このタイミングで、外交力に長けた安倍総理が退任するのは、非常に残念だ。次の総理には、当然のことながら、激変する国際社会と渡り合っていけるだけの外交力とリーダーシップが求められる。
場合によっては、安倍総理に外交特使をお願いする必要もあるであろう。
その外交力とリーダーシップと器が期待できるのは、安倍総理の下、実務を担ってきた菅官房長官、そして岸田政調会長だ。2人のいずれかが、安倍総理の後継として、総理の座に就くことに期待したい。
そして、いつの日か、安倍総理の三度目の総理登板もお願いしたい。