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負けに不思議な負けなし!石破茂さんの「防災省」構想は、菅義偉新総裁に一言で撃沈された珍説!!

菅義偉新総裁に地方予備選挙でも半分以下の得票で、地方からも見放された石破茂元幹事長。まあ、そもそも地方で人気が高いというのも事実ではないのだが。そして、それもそのはず、唯一の公約の目玉「防災省」を被災地で提唱しまくるも中身がカラッポ。

厚労省がコロナ対策に「アマビエ」を宣伝しまくっているが、「防災省」の看板を霞ヶ関に掲げたら、災害自体が減らないなんて誰でもわかる話だ。バカにするなと1票を投じた自民党員は内心呆れ果てていただろう。

災害は忘れる間もなくやってくる。そういう時代です。私は防災省は必要だ、心からそう信じます。日本全国1724市町村。それぞれで防災の体制が違っていいんですか。同じようなスキルを持たねばならないのではないですか。知識は伝承され、継承されねばならんのであって、優秀な人たちが各省庁からやってくる、2年たったら帰る(というのでは)、どうして蓄積と伝承ができるんですか。どうして教育が普及するんですか。

どこにあっても同じ体制、そして24時間365日防災を考える。そういうような部署、縦割りを排し、日本国のために、絶対に必要なものである。私はそのように固く信ずるものであります。

引用元 総裁選所見発表詳報(3)石破氏「防災省が必要だと信じている」

しかし、この防災省とやらは聞けば聞くほど可笑しな発言だ。優秀な官僚たちが地方自治体に来ては2年で帰ることがケシカランと批判しているが、今までの防災対策で過去から蓄積と伝承してきたノウハウが安倍総理、菅官房長官のタッグでは生かされていないと言いたいのであろうか。まさに言いがかりである。

石破氏は地方行政への理解不足が露呈。内務官僚、鳥取県知事、自治大臣だった父・石破二朗に顔向けできるのか。

実は全国の防災司令塔である総務省消防庁の実情は全く逆なのである。自治体職員が国に出向していることさえ石破氏は知らないようだ。もしも鳥取県から総務省内に出向者が居たとすれば、全くの赤っ恥だ。

実際のシステムはこうだ。自治体は優秀な防災担当職員を総務省消防庁に1年から2年間出向させ、そこで吸収した都道府県を超える広域災害対応のノウハウを持ち帰り、古巣の自治体内で蓄積・伝承する。そして翌年は、また別の若手職員が総務省消防庁に出向し、常に最新のノウハウが自治体内ではアップデートされるようになっている。

(出典 ロイター)

総務省消防庁は事実上の、自治体の防災担当の養成所となり、ノウハウが蓄積と伝承がされている。だからこそ地方行政を管轄する旧内務省、元自治省そして今日の総務省に消防庁があるのだ。

また他の自治体からの同じ防災担当職員や、総務省のキャリア・ノンキャリア職員ともネットワークを作ることが推奨されている。つまり、いざ自分の自治体で大規模災害が発生した時に、総務省を起点として国の他省庁や、遠方の自治体からもスムーズな支援体制が構築されるようにネットワークが張り巡らされている。

第1次安倍内閣において僅か衆院当選4期で総務大臣に起用された菅義偉。ふるさと納税だけでなく、地方自治のネットワークの活用方法を学び、官房長官としてあらゆる災害を乗り越えてきた

総務大臣を経験し、官房長官を8年間務めた菅義偉氏はこの点を大いに理解しており、今までの災害ではいかんなく総務省の人的ネットワークを活用してきた。2015年の熊本地震、2018年北海道胆振東部地震や台風20号。これらにおいて速やかに防災・救命・生活支援が政策パッケージ化されたのも、地方自治の仕組みを熟知した結果の実績なのである。

(胆振東部地震  出典 毎日新聞)

一方の石破氏は経験も知識も持ち合わせてないようだ。地方と国を従属関係であると古めかしいステレオタイプでしか判断できないから、今までの地方行政の実情と知恵の積み重ねを無視した防災省構想なのであろう。

何よりも、石破氏の主張する地方重視というのが、いかにハリボテだったかを明白に語っている。

ロシアの非常事態省をモデルにすると発言!!ロシアと日本は状況が全く違いますよ

防災省の詳しい内容を聞いてみると、ロシアの非常事態省がモデルだという。ロシアではチェンチェン紛争や南オセチア自治州の独立問題をはじめとした民族紛争や、テロが多発している。

プーチン大統領の強力な指導により90年代の混乱が嘘のように安定しているが、多民族国家であり、ソ連時代の負の遺産により、ロシアはテロや紛争との戦いを今も行っている。

そのような事態に際し、主役となっているのが非常事態省なのである。もう一つの目的としては、民族紛争や独立問題があくまでも「内政問題」であると外交アピールするためでもある。

そもそも非常事態省の正式名称は「ロシア民間防衛問題・非常事態・自然災害復旧省」であり、民間防衛軍という実働部隊も要している。軍事オタクを標榜するならばこの程度の知識は抑えて欲しいものだ。

石破氏はいったい何と戦うつもりなのか?アイヌ問題に熱心な菅新総裁にライバル心を抱くあまり、アイヌ人を弾圧でもするつもりなのか?

菅義偉官房長官は防災省構想を「また一つの縦割り行政」と一刀両断。今の内閣府には防災担当があり、首相官邸危機対策室も速やかに設置される。

総裁選で防衛省構想について問われた菅義偉官房長官の反応は鋭い。防災省を作っても、実働部隊である自衛隊、警察、消防、海上保安庁は内閣総理大臣の指揮に入っており、防災省の防災大臣は何の権限も持たないというのだ。

菅義偉官房長官は12日午後、日本記者クラブで行われた自民党総裁選の公開討論会で、石破茂元幹事長が政権公約で掲げている「防災省」の新設の必要性について「自然災害が起きれば関係閣僚や自衛隊、警察、消防、海上保安庁が首相の指揮の下、防災対策を行う。防災省を作っても防災省の指揮下にそうした人たちが入らないと思う。また一つの縦割りになってしまう」と述べた。

(出典 iza)

引用元 菅氏、防災省新設は「また一つの縦割り」 公開討論会

そこで石破氏は自衛隊も防災省の指揮下にと言うが、自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣なのである。お得意の防衛政策の基礎とも言えるシビルコントロールとも矛盾が生じる、とんでもないポンコツ行政機関を作ろうと提唱していたのだから始末が悪い。

今の内閣府防災担当部署があり、いざとなれば内閣府の最高責任者である内閣総理大臣が全ての省庁を束ねて対応に当たる。

その最も省庁的な例が、災害避難所におけるコロナ対策だ。災害避難所の設置は自治体、そこに支援物資を届けるのは自衛隊、そこに今回はコロナ感染予防として厚生労働省も加わった支援が行われている。

石破氏が提唱した防災省ではコロナ対策まで自前で行えというのか?もし新たな防災省がコーディネートする、けれどやはり自衛隊は直接指揮できません、コロナ対策は厚労大臣の合意がないと対応できません、だとすれば防災省の役割はまるで無いのである。

今回の総裁選では国会議員票のみならず、地方予備選でも石破茂は大敗であった。2012年の総裁選では政策通として期待された石破氏の本性が暴かれ、この8年間で内閣官房長官として実績を積み上げた菅氏が正当に評価された総裁選であった。

ポンコツ「防災省構想」は、かつて政策通と持てはやされた石破氏の墓標なのである。

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