国防費が急速上昇の中国、世界で減少傾向の核弾頭を増加中。日本はどうする?これに対抗するには、安倍外交の継承しかない
尖閣諸島周辺を脅かす中国。中国軍は台湾周辺でも動きを活発化させ、インドとの国境を脅かしている。もちろん、南シナ海の実行支配も言うまでもない。
なぜ、これほど多方面に同時にケンカを売る行為を行うのか。その背景には、中国の圧倒的軍事費拡大がある。
上表を見てもわかるように、中国は10年前と比較しても2.5倍ほども国防費を増大させている。軍事費=パワーというのは早計だが、この軍事強化により、中国は近隣諸国に脅威を与えられるようになったのは確かだ。
そして、もうひとつ。中国の核の脅威にも警戒しなくてはいけない。
拡大する中国の軍事費、将来的には米国を上回る可能性も
デイリー新潮が、米国防総長のレポートから、中国の軍事状況と核に関する記事をまとめていたので紹介しよう。
9月1日、米国防総省(ペンタゴン)が中国の軍事力についてのレポートを発表した。それによると、中国海軍は、130隻以上の水上戦闘艦を含む約350隻の艦艇を保有。これは米海軍の約293隻を上回っている。さらに、現在200個程度の核弾頭保有数は、10年後には倍以上に増えるというのだ。
レポートは、2030年までに、核弾頭ミサイルを搭載する原子力潜水艦は、094型と現在開発中の096型で計8隻になる可能性があると指摘している。094型原子力潜水艦は、最大射程7500キロの弾道ミサイル(SLBM)を12発、096型原子力潜水艦型は24発搭載可能という。実現すれば、艦艇数で米国を上回り、世界最大の海軍を持つことになるという。
このままいけば、海軍の力は米軍を超えるということだ。そして、一番懸念すべきは核弾頭の保有数が10年後には倍以上になるということだ。
核弾頭に関しては、アメリカ、ロシアと比べて、中国が倍に増えてもそれにはまだまだ及ばないが、それでも周辺諸国には脅威だ。
そして、将来的には中国の国防費は、米国を上回る可能性も現実味を帯びてきたということだ。
2019年の中国の国防予算は1740億ドル(約18兆5000億円)。もっとも、研究開発費や外国兵器の調達費用は含まれていないというから、実際は2000億ドルを大幅に上回っている可能性がある。建国100年となる2049年までに、アメリカ軍に匹敵もしくは超えるという目標を打ち出しており、それが現実味を帯びてきたという。
中国が軍事力でアメリカを抜こうとしていることは、間違いないだろう。それは、減少傾向にある核弾頭なのに、中国は増やしていることからもわかる。
中国の核に対抗するために必要なのは「外交」と「防衛協力」の強化
この中国の核の脅威に日本はどうすればいいのか。
日本には非核三原則が存在し、核配備どころか議論することもタブーとされている。「核に対抗するには核だ」という声もあるが、我国では短期的には現実的でないのが実情だ。
日本単独で中国に立ち向かうことが出来ない状況で、もっとも重要なのが、外交と防衛協力だ。
安倍政権が行ってきた日米同盟の強化、欧州との連携、インドとの関係強化など、有事の際、日本を救える体制を整えてきた。そして、安倍政権は最後の大仕事として、自衛隊とインド軍隊との間において、物品・役務を相互に提供する際の決済手続等の枠組みを定める協定「日・インド物品役務相互提供協定」の署名を行なった(参考)。
これにより安倍政権が掲げた「ダイヤモンドセキュリティ構想」が実現しつつあり、外交と防衛協力のネットワークが完成しつつある。
このように、今すぐ核を持てない我国が中国の核に立ち向かうには、外交力と防衛協力による連携が重要だ。
安倍政権が築いてきた実績と政策を継承する菅義偉官房長官が自民党新総裁になったことで、ひとまずは安堵だが、まだまだ未知数で魔折る。
菅新総理には、安倍総理の外交を継承し、更なる発展を期待したい。
そして、安倍総理には、体調が回復したのち、是非三度目の、日本の舵取りをお願いしたい。