慣例をルールと変換し、慣例打破を違法と訴える野党とメディア。福山幹事長に至っては、「違法の疑いもある」から国会で追及するそうだが、まず違法性の根拠を示せ!国会の追及ごっこはもうたくさん
日本学術会議の人事を巡り、野党、メディア、そして活動家たちが騒ぎ立てている。国民生活のことを放り出して、大騒ぎだ。
しかも、彼らは、反対派の意見を取り上げ、少数派意見をいかにも大多数の意見のように思わせ、世論を動かそうとしているのだ。
野党「学術会議の人事と検事長の定年延長の問題は根が同じ」。同じなのはメディアの反政権精神では?
まず、東京新聞は、立憲民主党の大串博志議員の発言を取り上げた。
「検察庁法(改正案)の時と一緒だ」
立民の大串博志氏は2日、野党が国会内で開いた内閣府の矢作修己参事官らに対する合同ヒアリングで、安倍政権時代の黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題に言及。今年1月に延長を閣議決定した後、追認するかのように制度を変える検察庁法改正案の審議を推し進めようとした事実と、学術会議の問題の根は同じだと指摘した。やりとりの中で、政府が任命拒否を認める法解釈の変更をした可能性が浮上したためだ。
いまさら、検事長の定年延長の問題を、再び説明することになるとは思わなかった。
この改正案はもともと、年金支給年齢の引き上げにともない、国家公務員の定年を65歳まで延長するという改革の一部だ。一般の公務員の定年は、これまで60歳だったが、検察官は63歳とされていた。ところがこのままだと検察官の定年が2年早くなってしまうため、それを是正する必要があるというのが、法案改正の本来の趣旨だ。
ここまでは野党も反対していなかった。
しかし、この役職定年の延長を検察官にも適用し、カルロス・ゴーン事件をはじめとする「重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するため」として、安倍内閣が東京高検検事長の勤務延長を閣議決定した。マスコミは「モリカケ桜」の疑惑問題に特捜部が乗り出すことを封じる為ではないか、というあらぬ疑惑を立てたため、野党もそれに便乗し、騒ぎ立てたのだ。
「根は同じ」と記事にはあるが、マスコミがあらぬ疑いを膨らませ、我々国民を誘導するという、反政権という意味では、根は同じかもしれない。そして、それに便乗する野党もだ。
違法性が感じられるのなら、違法であることを示してから国会で追及せよ。疑惑の追及ごっこはもうたくさんだ!
また、東京新聞は、立憲民主党にやっと入れた原口一博議員と福山哲郎幹事長の珍説を紹介した。原口議員と福山幹事長は違法だぁあああと言うのである。
野党は、政府が任命拒否の経緯や理由を説明しない点も問題視。過去に会議側の推薦候補をそのまま認めてきた歴史もあり、立民の原口一博氏は「内閣に拒否権が生まれたのか」と解釈変更の有無をただした。
矢作氏は「義務的に任命しなければならないというものではない」などと繰り返し、最後まで理由を明らかにしなかった。立民の福山哲郎幹事長は記者団に「違法の疑いもある」と語り、国会で追及していく考えを強調した。
原口氏もおかしなことを言う。内閣には任命権があるのなら、拒否権もある。これまでの任命に関しては、慣例によって行われていただけだ。
改革を謳う菅政権では、こういう旧習は通用しないというだけの話しだ。そして、こういう慣例の打破こそ、今後の改革には必要不可欠だ。
「違法の疑いもある」から国会で追及するそうだ。これまで、立憲民主党がなぜ有権者の支持を得られなかったのかまるで解っていない。
政権の粗探しを仕事と思っているから、よく内容も精査せず、拳を振り上げる。そして振り上げた拳を下ろせないから、国会の時間を空費するのだ。
国会の本来の仕事、野党の在り方は、これまで政治知新も口が酸っぱくなるほど指摘してきた。国会は、政策論争の場で政局論争の場ではない。
これでは、これまで通り、国会でワイドショーが行われるということは想像に易い。
菅総理、日本学術会議の任命理由を説明
こういった批判の中、菅総理は学術会議の任命理由を語った。
【学術任命除外理由】
菅総理「推薦を任命してきた前例を踏襲してよいか考え、日本学術会議は省庁再編でそもそも必要性を含めて在り方につき相当議論が行われ、総合的俯瞰的な活動を求めることになった。これを確保する観点から今回任命について判断。学問の自由とは全く関係ない。どう考えても」 pic.twitter.com/r00u0xJOEI
— 自由 (@FreeTweet000) October 5, 2020
菅総理らしいオブラードに包んだ言い方で、むしろ優しい。そもそも、政府機関の任命基準をいちいち語れというほうがおかしいのである。
現政権は、何の疑いもなく推薦を受けいれ、任命をしてきた前例に疑いを持っている。それはその通りだ。それでも推薦者を受け入れよというのなら、その推薦の根拠を示すべきだ。血税を投入している以上、国民にも説明すべきだ。
そもそも政府は、学士院と被っている日本学術会議の必要性にも懐疑的になってきている。日本学術会議こそ既得権益に胡坐をかいてきた事を、そろそろ見直す必要がある。
そして、今回選ばれなかった人たちには、選ばれないだけの理由がある。これは、いちいち政府が説明しなくても、その理由は本人たちが一番わかっているはず。
日本学術会議、野党、メディアは、理由を提示したらしたで、提示理由を盾に、「学問の自由」を侵害したと騒ぎ立てるに違いない。
今回のことを契機に、日本学術会議には、欧米のアカデミーのように、財源も独立し、非政府組織になって頂きたい。