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至極まっとうな説明を求めた官邸。それを「人事介入の伏線だったかもしれない」と穿った見方しか出来ない日本学術会議

日本学術会議の世間とズレた認識が明らかになりつつある。それが推薦候補の説明だ。推薦候補から6人が拒否された今回の日本学術会議の問題。日本学術会議は、2014年の新規会員の任命では、推薦候補の選考過程を官邸に求められるまで、説明していなかったのだ。

選考過程の説明を求めるのは、極めて当たり前な流れだ。特別職国家公務員になる日本学術会議の会員の任命を、日本学術会議の推薦名簿を見ただけで決定するのは、あまりに民主的コントロールを軽視している。

2014年、説明を求められた当時の日本学術会議の会長、大西氏、説明を求められたことについて、「丁寧に聞いてくるという印象」と語ったが、当たり前のことを官邸は求めただけだ。

(日本学術会議元会長の大西隆氏  出典 時事通信)

さらに推薦候補の選考には、驚くべき点がある。誰がどのような根拠で推薦されたのか、研究者には、なにも説明がなされていないというのだ。

選考過程がブラックボックスな日本学術会議。このような組織が令和の時代に相応しいとは誰も思わない。

大西隆元会長、当たり前の説明責任を果たすことに不満??

推薦候補の名簿の作成、日本学術会議の大仕事と言っても過言ではない。そして、この名簿に基づいて日本学術会議の会員が任命されるのであるから、この名簿の作成、つまり、候補者の選考過程について、誰もが関心を抱く。

会員に任命された者は、特別職国家公務員とされるのだから、なおのことだ。

この選考過程について、2014年に官邸が説明を求めていたことが明らかになった。

日本学術会議が2014年に会員(210人)の半数を改選した際、当時の安倍晋三首相が会員を任命する前に、学術会議が正式決定した推薦候補の選考過程の説明を官邸側が求めていたことが28日、判明した。学術会議側は最終段階で候補から外れた人を含む117人の名簿を示したが、官邸側は難色を示さず、推薦候補全員が任命された。

(略)

当時会長だった大西隆・東京大名誉教授は「今思えば、当時から官邸側は学術会議の選考をシビアに考えており、我々と認識のずれがあったと考えられる。(人事介入の)伏線だったかもしれないと話している。

(略)

(出典 産経新聞)

引用元 官邸、14年改選時にも学術会議に説明要求 「介入の伏線だったかも」

推薦候補の選考過程に対して、日本学術会議が説明責任を負うことは当たり前ではないのか。当たり前のことを求められただけである。それでも大西氏は、「人事介入の伏線だったかも」と発言した。

日本学術会議が、説明責任を軽視していることの証左だ。

日本学術会議の選考過程は、研究者ですら知ることができないようだ。

研究者でも「ブラックボックス」と化している選考過程

選考過程について、官邸が説明を求めていた2014年。その選考過程は、日本学術会議の内部はもちろん、「学者の国会」と言われているからには、多くの学者に共有されているものと考えるのが自然だ。

しかし、日本学術会議の外にいると、選考過程は一切不明のようだ。東京大学教授の戸谷友則氏が産経新聞に対して次のように語っている。

(略)

学術会議の新会員は会議内で選考され、政府に推薦される。誰がどのような根拠で推薦されたのか、一介の研究者には毎回何の説明も無い。偉い先生の私的なクラブであればそれもよいが、学術会議は全ての研究者の代表とされ、政府の内部機関として存在し、大学や研究者の行動を制限できるほどの力を持っている。その非民主的に選ばれたごく一部の研究者の団体が、全ての研究者に画一的な価値観を押しつけて、自由を縛ることが許されるだろうか。

(略)

(戸谷友則氏  出典 産経新聞)

引用元 学術会議への警鐘 学問の自由は政府に与えられるものか 東大教授・戸谷友則

なんと戸谷氏の指摘によると、一介の研究者に対して毎回何も説明がないというのだ。日本学術会議は「わが国の科学者の内外に対する代表機関」と自らのことを謳っている。

「代表機関」と謳っていながら、研究者に対して、選考過程の説明が何もないとは、いささか組織運営として雑だ。

自身が選考過程をブラックボックス化しておきながら、政府に対して「任命拒否理由を説明しろぉぉぉ!」とはなんとも面白い構図だ。

日本学術会議を改革し、透明性のある健全な組織に改革することを、菅政権に期待したい。

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