各学会が出した政府に対する反対声明の裏で暗躍していたのは日本学術会議??
学者6人の会員が就職に失敗した日本学術会議。6人の就職問題が国会でも取り上げられ、野党は新型コロナウイルス対策や経済対策といった国民の生活を守るよりも、6人の就職問題に注力している。1億の国民の生活よりもこの6人の学者の就職が重要というのが野党の姿勢だ。
この日本学術会議の会員任命をめぐっては、多くの学会が政府の判断に反対の意思を示している。
しかし、神戸大学大学院の木村幹教授が、日本学術会議と学会との関係性を解説した。その解説を聞くと、学会が声明を出した理由、そして、日本学術会議こそが学問の自由を侵害していることがよくわかるのである。
政権に対して反対の意思を示す、多くの学会
日本学術会議の会員任命が、野党らの手によって争点化されて以降、多くの学会が声明を出し、政府の判断に対して反対の意思を示した。
10月1日に任命されるはずだった日本学術会議の会員候補6人が、菅義偉首相に任命拒否されて1カ月。この間、各学会など600を超える団体から抗議の声明が相次いでいる。戦前への逆行を危惧したり、地動説を主張して宗教裁判にかけられたガリレオの事例を交えたりと、それぞれの専門分野を踏まえた厳しい視線が向けられている。
学会のみの数は不明だが、学会を含んだ団体の数だと、声明を出した団体は600を超えるという。
600を超える団体が、6人の就職の問題に熱心とは驚愕だ。これらの声を受けて、菅総理に対して、何一つ注文をつけることができなかった日本学術会議の現会長、梶田隆章氏は、「心強い」などと語った。(参考)
しかし、だ。梶田会長が「心強い」と語った団体の声明。その中の学会が出した声明には、“自作自演説”がある。
神戸大学大学院の木村幹教授によると、日本学術会議から各学会に対して、作用する「力」があるという。
学会が出した声明は自発的ではない??
各学会が声明を出すことによって、菅政権に対して、反対の声を上げる人が多いのではないのかと思ってしまう。しかし、それは錯覚だ。
神戸大学大学院の木村幹教授が、日本学術会議と学会の関係について次のように述べている。
例えば、現在、多くの学会が政府による学術会議任命拒否に対する反対の意を⽰す声明⽂を出している。
学術会議の中には、各々の研究分野を束ねる分野別委員会と、それを更に細分化した分科会が置かれており、これらの委員会や分科会の幹事等から、各学会に対して声明を出す事を求める働きかけが⾏われている。
より詳細に言えば、これらの分野別委員会や分科会の幹事を務める学術会議の会員から、各学会に対して声明を出すべき旨の働きかけが行われ、その結果として、多くの学会がその意に従う事になっている、という訳である。
(中略)
背景には、⽇本の多くの学会が学術会議の協⼒学術研究団体として指定されており、この指定こそが各々の研究組織が「学会」である事の権威付けの根拠になっている事がある。そのメカニズムは、例えば⼤学によっては、この指定を受けていない学会の会員資格を履歴として認めない、という形で機能する事になっている。
各学会は、当然のことながら、日本学術会議の下部組織ではない。なぜ下部組織ではないにも関わらず、日本学術会議に学会が従うのかというと、日本学術会議の会員を務める人物は、各々学会で重鎮にあたる人物だそうだ。(参考)
このようにして、日本学術会議が学会に対して、学会の重鎮たる人物を通して、「圧」をかけているのだ。
さらに驚くことに、学会にとって、日本学術会議の「協力学術研究団体」に指定されることが重要な意味を持つようだ。この指定がないと、学会員としての履歴を認めない大学も存在するとのこと。
これらの「力」を有する日本学術会議が、果たして学問の自由にとって利益をもたらす存在と言えるのか。答えは否だ。
国の予算をもらいながら、学問にとって害でしかない日本学術会議は、一日も早く改革・解体されるべきだ。